872:名無しNIPPER[saga]
2017/11/11(土) 00:20:17.50 ID:Ch5AfJxSo
「どうして……碓氷を刺したの?」
「どうしてだろうな」
873:名無しNIPPER[saga]
2017/11/11(土) 00:21:09.16 ID:Ch5AfJxSo
「遼一について、ほんのすこしだけ、わかったようなことを言ってもいい?」
「……どうぞ」
874:名無しNIPPER[saga]
2017/11/11(土) 00:22:03.14 ID:Ch5AfJxSo
「それでも……」
と、僕は言う。
875:名無しNIPPER[saga]
2017/11/11(土) 00:22:29.61 ID:Ch5AfJxSo
「でも、望むと望まざるとに関わらず、わたしたちが生きているのはきっとそういう世界なんだよ」
「……」
876: ◆1t9LRTPWKRYF[saga]
2017/11/11(土) 00:23:01.54 ID:Ch5AfJxSo
つづく
856-14 彼女は塔の下へと → 塔の下へと
857-11 は手に → 果てに
877:名無しNIPPER[sage]
2017/11/11(土) 07:56:18.90 ID:aGNhzq1i0
おつです
878:名無しNIPPER[saga]
2017/11/15(水) 23:47:04.50 ID:lNunJpruo
◇
話はたいして弾まなかった。
879:名無しNIPPER[saga]
2017/11/15(水) 23:47:33.60 ID:lNunJpruo
彼女は不慣れな様子で栓を抜き、グラスを並べてそこに注いだ。
「よかったのか?」
880:名無しNIPPER[saga]
2017/11/15(水) 23:47:59.78 ID:lNunJpruo
「本当はね」、と、僕は話し始めた。
「今よりほんの少し普通に近い子供だった頃には、未来に対して希望をもっていたことだってあったんだよ」
881:名無しNIPPER[saga]
2017/11/15(水) 23:48:32.34 ID:lNunJpruo
「たとえば、僕にも好きな子がいた。それが、今よりは強かった希望というものかもしれない。でも、よく考えてみると分からないんだ。
僕は別に、その子と一緒にいたいとか、どこかへ行きたいとか、何かをしたいとか、そんなことは考えたこともなかった。
一緒に夏祭りに行きたいとか、クリスマスを過ごしたいとか、あるいは好きな音楽を言い合ったり休日に出かけたりね、
そんなこと、僕は別にしたくなかったんだ。映画なら一人で観る、食事も一人の方がいい、本の感想なんてあまり言葉にしたいものじゃない。
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