103:名無しNIPPER
2016/08/20(土) 09:20:04.95 ID:D33bbYIF0
「ちーちゃん見てない?」
「進学講座だって」
104:名無しNIPPER
2016/08/20(土) 09:22:51.75 ID:D33bbYIF0
「あっつーい」
イチが胸元をパタパタと仰ぐ。
「暑いですねぇ」
105:名無しNIPPER
2016/08/20(土) 09:24:25.08 ID:D33bbYIF0
「どうかしたんですか?」
「いや、こっちの話」
そうですか、と返事をすると、ナナコは興味なさそうに前を向いた。
106:名無しNIPPER
2016/08/20(土) 09:26:06.40 ID:D33bbYIF0
少し歩調が遅くなったので、それとなく合わせると、いつもより景色がゆったりと流れて見えた。
昼前の日差しを、川がしつこいほど反射する。
土手沿いに並ぶ桜の木から、耳をつんざくようなセミの鳴き声が響いた。
107:名無しNIPPER[saga]
2016/08/20(土) 09:26:49.02 ID:D33bbYIF0
いつの間にか、二人とも黙り込んでいる。
こんな時に、気の利いた、面白いことが言えれば良いのに、と思った。
俺は、もともとあまり話せる奴でもないし。
108:名無しNIPPER[saga]
2016/08/20(土) 09:27:27.26 ID:D33bbYIF0
つづく。
109:名無しNIPPER[sage]
2016/08/20(土) 14:32:04.56 ID:NSKeHavL0
乙
110:名無しNIPPER[saga]
2016/08/20(土) 21:13:56.23 ID:D33bbYIF0
翌朝、目が覚めた時、イチとの賭けに負けたことを思い出した。
ラジオ体操。
111:名無しNIPPER
2016/08/20(土) 21:16:57.56 ID:D33bbYIF0
振り返ると、大きな水色のキャリーバッグに、小学生くらいの女の子。
少し大きすぎる、麦わら帽子を被っていた。
「……え?」
112:名無しNIPPER[saga]
2016/08/20(土) 21:22:47.00 ID:D33bbYIF0
一番近い高校、というのは、言わずもがな、俺たちが通っている学校だった。
あんな歳(小六と言ってたっけ)の子が、高校に何の用があるんだろう。
もしかして、あまりにも勉強ができすぎて、高校に編入したい、とでも言うのだろうか。
113:名無しNIPPER
2016/08/20(土) 21:25:34.49 ID:D33bbYIF0
公園に入ると、いつも座るベンチの真向かいにある、少し小高くなっている場所に、子供会の班長か何かだろうか、しっかりしてそうな子がラジオをセットして準備をしていた。その周りに、ちらほらと七、八人。
あの中に入るのか、と気後れしていると、イチがベンチに腰掛けた。
「ここでしようよ」
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