過去ログ - 男「ここにいたんだ」
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12:名無しNIPPER[saga]
2016/08/17(水) 20:41:03.24 ID:cSUEPfQ20
 窓の外に目をやると、まだ日は高いようだった。最近は日が沈むのも遅くなってきている。もうすぐ夏だ。

「……あ、いま何時?」

 不意に、イチが口を開く。
以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2016/08/17(水) 20:42:24.17 ID:cSUEPfQ20
 しかし、部長の居場所と言っても、どこにいるのか検討もつかない。

 イチもナナコも部長も、基本会う時は部室。三人とも文系棟だから、俺とは教室も遠いし。

 俺と同じ理系棟には、理数科のチヨがいる。
以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2016/08/17(水) 20:43:39.12 ID:cSUEPfQ20
 渡り廊下に続く扉を開けると、ひんやりとした鉄の感触が手のひらに伝わってくる。

 扉を開けると、顔に風が吹いてきて、少し目を細めた。

 ここ、三階の渡り廊下は、青空天井となっている。つまりは天井がない。
以下略



15:名無しNIPPER[saga]
2016/08/17(水) 20:45:15.38 ID:cSUEPfQ20

「こなたは喉が渇きました」

「そりゃ、こんな風の強いところにいたらね」

以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2016/08/17(水) 20:46:41.39 ID:cSUEPfQ20
 理数科の教室には、こなたの言う通り、チヨがいた。

 チヨはこちらに気がつくと、「あ……」と呟いて、驚いたように固まった。教室には、チヨ以外誰もいない。

 チヨも、イチやナナコと同じく、同じ部活で、さっきも言ったように、二年生の理数科クラス。
以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2016/08/17(水) 20:48:42.73 ID:cSUEPfQ20
「そうそう、部長見てない?」

「部長?」

「うん、なんか鍵は開いてんのに部室にいなくてさ」
以下略



18:名無しNIPPER[saga]
2016/08/17(水) 20:49:35.10 ID:cSUEPfQ20
「チヨが知らないってことは、部長は完全に行方知らずか……」

「ご、ごめんね……?」

 いやだから謝ることじゃないって。
以下略



19:名無しNIPPER[saga]
2016/08/17(水) 20:50:48.43 ID:cSUEPfQ20
 渡り廊下を通った時には、こなたはいなかった。もう帰ったのだろうか。

 文系棟に続く扉を開けると、屋内の方がちょっぴり涼しくて驚いた。

 空調は付いていないのに。
以下略



20:名無しNIPPER[saga]
2016/08/17(水) 20:51:59.98 ID:cSUEPfQ20
「何かする、って、部活で?」

「そそ、ウチも一応部活動だし、たまには活動しないと、って」

 一応、って……。
以下略



21:名無しNIPPER[saga]
2016/08/17(水) 20:53:04.69 ID:cSUEPfQ20

「ただいまー!」

 部長が建てつけの悪い扉を勢いよく開く。何故だか、この人は毎回、扉を全開にする。

以下略



22:名無しNIPPER[saga]
2016/08/17(水) 20:54:36.68 ID:cSUEPfQ20

「んまっ、お疲れなのはわかるけどさ」

 そう言うと、部長が軽快に黒板の前に移動する。
 チヨは教卓の前の二列目、自分の定位置にカバンを置いて、ストンと腰掛けた。
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