285:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:21:12.54 ID:ilA7zgD60
昼を少し過ぎた頃、全員で駅に向かう。
みんなほとんど手ぶらだったが、ムギちゃんだけは、大きな水色のキャリーバッグを運んでいた。
懐かしい。
286:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:22:13.22 ID:ilA7zgD60
道路の脇に、軽トラが停車した。軽トラなんて、この辺りではあまり見ない。
ムギちゃんが手を振る。運転席の扉が開いて、人の良さそうなおじさんが出てきた。目元が乙坂父そっくり。
ねえちゃんが近寄って行って、何か話し始めた。
287:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:22:56.98 ID:ilA7zgD60
ムギちゃんが助手席に吸い込まれていくと、軽トラはあっという間に発進してしまって、車の波の中に消えていってしまった。
なーちゃんと部長は、軽トラが見えなくなるまで手を振っていた。
みんなで、しばらくボーッと立ち尽くす。
288:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:23:48.61 ID:ilA7zgD60
みんながドリンクバーに行っている間、なんとなく立ち上がる気にならなくて、テーブル席の奥に座っていると、
なーちゃんがジュースを持ってきてくれた。
ホワイトソーダの炭酸をカルピスで薄めたやつ。
なーちゃんもチヨに似て、周りをよく見てるんだな、と思った。
289:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:25:07.57 ID:ilA7zgD60
夕方、人が増えてきそうになったので、会計を済ませて、ファミレスを出る。
昼間よりは暑さは和らいでいたけど、それでも、風はまだ熱を持っていた。
ヒグラシがどこかで鳴いているのが聞こえる。
290:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:25:47.60 ID:ilA7zgD60
「あんたさ」
ねえちゃんが歩調を緩める。
「なんかあったでしょ」
291:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:26:57.21 ID:ilA7zgD60
翌朝、セミのかすかな鳴き声で目を覚ます。四時過ぎ。いつも通りの起床時間。
カーテンを開ける。
この季節は、起きてすぐでも日が昇り始めているので、目覚めがいい。
292:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:27:54.04 ID:ilA7zgD60
顔を洗って、歯を磨いて、また顔を洗う。
乾燥機の中からタオルを取り出し、顔と前髪を拭く。柔軟剤を使っているので柔らかい。
293:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:28:37.76 ID:ilA7zgD60
食べ終わってから、しばらく生産性のない会話を繰り広げていると、なーちゃんたちがやってきた。
チヨは後ろ髪を結んでいる。
ハルは宿題を持ってきていた。薄くて大きな問題集。
294:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:29:26.81 ID:ilA7zgD60
セミの鳴き声が二種類に分かれてきたころ、ナナコがやってきた。
「今日も暑いですね」
歩いてくるとやっぱり暑いらしい。
295:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:30:07.88 ID:ilA7zgD60
ナナコがオセロのアプリで、チヨに勝負を挑む。
割と接戦だったようだが、最後はチヨに負けていた。
なーちゃんにも負けていた。
この姉妹はオセロが得意らしい。
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