過去ログ - 女「今の君を教えてよ」
1- 20
29: ◆XRfrZgs14Q[saga]
2016/08/31(水) 02:14:00.35 ID:ryABOIXv0

男はほっとした。あの日以来一度も顔を合わせてなかったし、あの日の別れ方はなんとなく尾を引きそうだったが、思っていたよりも自然に女と会話ができたからだ。こころなしか、女もそのことで満足気な表情をしている気がした。

男「学校近づいてきたら、俺から離れろよな。男Aが心配するぞ」

以下略



30: ◆XRfrZgs14Q[saga]
2016/08/31(水) 02:18:54.57 ID:ryABOIXv0
登校の時の女との会話以外、その日学校で男が誰かと会話することはなかった。女も気を使ってか、学校にいるときは話しかけて来なかった。
放課後、下駄箱をあとにしようとした時に、男は後ろから呼び止められた。男A、男B、女Aの三人が横に並ぶようにして佇んでいた。

男「ど、どうしたんだ」

以下略



31: ◆XRfrZgs14Q[saga]
2016/08/31(水) 02:28:14.70 ID:ryABOIXv0
この三人とは、小学生の頃から知り合いである。それだけでなく、例の一件があるまでは中学生になっても毎日のように一緒にいたような仲だった。この中の誰かに会うだけで気分が良かったし、高揚感があった。なにをするわけでもないような遊びでも、四人ならなんでも楽しく感じた。生涯手放したくない仲間たちだと、男は心の底から思っていた。しかし、今は顔を合わせるだけで、自己嫌悪感といたたまれない気持ちで胸が張り裂けそうになる。本音を言ってしまえば、会いたくないという素直な表現が正しいだろう。
四人とも無言のまま足だけが動き続けていた。無心で歩みを進めていると、辺りは見覚えのある景色になっていた。幽霊公園の目の前だった。



32: ◆XRfrZgs14Q[saga]
2016/08/31(水) 02:34:21.43 ID:ryABOIXv0
昔は、どんなに真面目な話をするときもどんな遊びをするときでもここに集まっていた。この幽霊公園に足を運ぶたびに、男の脳裏には過去の思い出がくっついて離れなくなる。
四人とも口を開かないままベンチに腰をかけた。

男B「俺たちさー、男と話がしたくてさ。ずっとお前と話したいことがあったんだよ。中学生2年生の冬から、俺たちの時間だけとまってただろ」

以下略



33: ◆XRfrZgs14Q[saga]
2016/08/31(水) 02:38:28.09 ID:ryABOIXv0
全てを話せば、自分は解き放たれるのだろうか、三人は納得するのだろうか。何から話せば良いのか、どんな言葉を紡いだらいいのか、不意に男の頭の中は整理が追いつかなくなっていた。

男A「なぁ! 黙ってないで俺らに話せよ、お前のこと」

男B「俺は未だに信じられないんだよ、お前がいきなりあんなことするなんて」
以下略



34: ◆XRfrZgs14Q[saga]
2016/08/31(水) 02:50:01.09 ID:ryABOIXv0
男B「あんなことしただけじゃなくて、なんかお前自身も変わっちゃったよな。なにがあったのか俺は知りたい。全部を教えてくれよ」

男A「最近までお前とは縁を切ったつもりでいた。でも、俺はお前を昔から知ってる。男ってやつは優しいんだよ、俺の中では」

女「私もそう思う。だから、だからこそ男がよくわからないよ」
以下略



35: ◆XRfrZgs14Q[saga]
2016/08/31(水) 02:51:01.06 ID:ryABOIXv0
一旦切ります


36:名無しNIPPER[sage]
2016/08/31(水) 10:35:14.36 ID:d+6d80/s0
早く書いてくれよ


37: ◆XRfrZgs14Q[saga]
2016/08/31(水) 15:10:42.71 ID:ryABOIXv0
その日はなぜだか家にすぐ帰るのも嫌で、コンビニを転々として日が暮れるまで時間を潰した。
少し前までの猛暑が信じられないくらいの涼しさ、消えていく湿気、そして澄んだ空気。空を見上げれば、曇り一つない空に星が広がっている。空気が澄んでいるおかげか、空が高く見える。
男は、自宅の前の道が昔からひどく嫌いである。なぜなら、その道だけ街灯がすくなく、夜になると視界が悪いので、なんとなく不吉な予感がしてしまうからだ。いままで特に何かあったことはないが、基本的に怖がりな男としてはそれだけでも十分な理由だった。その道に差し掛かった時、少し先に人影があるように見えた。

男(なんだろ。本当に幽霊とかだったらどうしよう)
以下略



38: ◆XRfrZgs14Q[saga]
2016/08/31(水) 15:21:29.20 ID:ryABOIXv0
怖いもの見たさでそこに佇む人影を男は見つめた。そして、一歩一歩刻むように距離を縮めていった。
−−おかえり
突然人影が声を発した。男咄嗟に少し身を引いた。何事だろうと思い、様子を伺った。

女「そんなに怖がらなくてもいいんじゃないかな」
以下略



39: ◆XRfrZgs14Q[saga]
2016/08/31(水) 15:32:06.02 ID:ryABOIXv0
女「君の帰りを待ってたんだよ、男君」

女はなぜだか得意げな顔でにやりと笑った。

男「待ってた、って……。俺が帰る時間なんてわかんないのによく待ってたな。それなら自分の家で待ってればよかったのに」
以下略



64Res/42.72 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice