過去ログ - 白坂小梅「溜め池からの呼び声」
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6:名無しNIPPER
2016/09/09(金) 20:27:21.38 ID:mHQTk8ix0
それなら、俺が見た夢もそんなに悪いものじゃなかったってことか?
しかし甘い期待は脆くも打ち砕かれる。

「ただ、それは穏やかな湖の場合に限るの。マイナスのイメージを抱く夢なら…凶兆になるわ」

以下略



7:名無しNIPPER
2016/09/09(金) 20:28:52.92 ID:mHQTk8ix0
その後は特に目立った問題もなく業務を終えられた。
朋にもらったおまもりのお陰か、心なしか気楽に仕事ができたのが良かったのだろう。

今は繁忙期でもないため、20時には会社を出ることができた。
昨日作っておいたカレーがまだ家にあることだし、寄り道せず帰ることにしよう。
以下略



8:名無しNIPPER
2016/09/09(金) 20:30:16.59 ID:mHQTk8ix0
気づくと俺は溜め池のほとりに立っていた。
夢で見た景色?
違う。今は現実だ。
辺りは暗く、古びた電灯が薄く世界を照らしているだけ。

以下略



9:名無しNIPPER
2016/09/09(金) 20:31:49.82 ID:mHQTk8ix0
「Pさん、目のクマ…酷いよ…?」

翌朝小梅と会った時の第一声がそれだった。
昨日は結局一睡もしていない。
今朝は鏡で自分の顔を確認したが、まったく酷いものだった。
以下略



10:名無しNIPPER
2016/09/09(金) 20:32:47.58 ID:mHQTk8ix0
「ん…」

何時間ぐらい眠っていたのだろう。
重たい身体をソファーから起こす。
今回は夢を見ずに済んだようだ…
以下略



11:名無しNIPPER
2016/09/09(金) 20:43:31.60 ID:mHQTk8ix0
「『俺が働かせすぎたせいかもしれん…』と部長も心配しておられましたよ?ですから、Pさんの今の仕事は体調を戻すことです」

「すみません、ありがとうございますちひろさん…」

俺が頭を下げると同時に、お盆を持って歩いてくる小梅の姿が見えた。
以下略



12:名無しNIPPER
2016/09/09(金) 20:44:18.41 ID:mHQTk8ix0
眠い頭でも慣れた動作は難しくないらしい。
手短に受付を済ませた俺は、ブランケットを受け取った後、壁際のリクライニング席へ滑り込む。
平日の昼とは言え、幾人か客もいるようだ。
名前も知らない人たちばかりなのに、一人でないというだけでこんなにも心強いのか。

以下略



13:名無しNIPPER
2016/09/09(金) 20:45:34.08 ID:mHQTk8ix0
再び目を覚ました時、辺りは真っ暗だった。
おかしい。
これはどう考えてもおかしい。
一眠りして夜になった、ここまでは理解できる。
しかしネットカフェの店内が暗いわけがない。
以下略



14:名無しNIPPER
2016/09/09(金) 21:08:16.37 ID:mHQTk8ix0
溜め池を覆う柵に手をかけた瞬間、不意に気持ちが穏やかになった。
懐かしいような、暖かいような感覚…
溜め池を見つめる。
水面は静かに揺れている。
どうだろう。
以下略



15:名無しNIPPER
2016/09/09(金) 21:09:26.88 ID:mHQTk8ix0

「小梅から聞いたわよ、Pが夜な夜な溜め池に呼び寄せられてるって」 

「いやでも、なんでこの場所がわかったんだ…?」

以下略



16:名無しNIPPER
2016/09/09(金) 21:10:08.36 ID:mHQTk8ix0
「お疲れ様です、Pですが」

「Pさん!?良かったぁ…」

電話越しにちひろさんの安堵した声が聞こえてきた。
以下略



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