22:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/20(金) 00:46:04.88 ID:b4qt7MSMo
先生の目を盗み見て机の奥から小さなメモ用紙を取り出し、歳納京子へのメッセージを書く。
[体操着貸してくれてありがとう。
あとでちゃんと洗って返すわね。
23:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/20(金) 00:46:53.02 ID:b4qt7MSMo
〜
放課後、生徒会もなかったので千歳と一緒に帰っていると、急ではあったが「ちょっと寄っていかへん?」と誘ってくれたので、そのまま千歳の家にお邪魔させてもらった。
24:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/20(金) 00:47:50.41 ID:b4qt7MSMo
確かに千歳の言うとおりかもしれない。お礼というものは相手に対する感謝の念を表すものであると同時に、自分を落ち着ける手段のひとつでもあるのだ。
となればお礼をする側の気遣いを組み取って素直に受け入れてあげるのも、相手に対するマナーというものだ。
25:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/20(金) 00:48:55.54 ID:b4qt7MSMo
――――――
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26:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/20(金) 00:49:45.54 ID:b4qt7MSMo
私は今日一日のできごとをひとつひとつ順々に思い出しながら、アライグマさんに聞かせてあげた。
夢見心地で家を出たら、体操着を忘れちゃったこと。
27:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/20(金) 00:50:32.99 ID:b4qt7MSMo
『さて……前に乗った時、お嬢さんには京子さんとの馴れ初めとかを聞かせてもらったけど……今回はまた違ったポイントから聞かせてもらうで?』
アライグマさんは帽子に手をあててぴしっと被り直し、私を見上げた。
28:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/20(金) 00:52:04.02 ID:b4qt7MSMo
『例えばそうやなぁ……お嬢さんは、京子さんに一歩でも近づきたいと思って対等になれるよう努力したって、前に言うてはったよな?』
綾乃「まぁ……そうね」
29:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/20(金) 00:53:19.23 ID:b4qt7MSMo
『何かが何かに近づきたいと、一生懸命追いかける……追いかける方がどんどんどんどん距離を縮めていくと、しまいにはどうなると思う?』
綾乃「えーっと……ぶつかっちゃうんじゃないかしら」
30:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/20(金) 00:53:49.80 ID:b4qt7MSMo
綾乃「だって……そんなの、決まってるじゃない! したいわよ……ぎゅーって、してみたい……///」
『うん……じゃあ、ちょっとイメージしてみて? たとえばそう、ロマンチックな場所……観覧車の中が手っ取り早いな。お嬢さんが今みたいにゴンドラの中で……京子さんと並んでふたりっきりでいるんや』
31:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/20(金) 00:54:29.18 ID:b4qt7MSMo
『はい!』ぱんっ
綾乃「きゃっ!!」びくっ
32:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/20(金) 00:56:06.53 ID:b4qt7MSMo
『恋のゴールは、人によって違うんや。お嬢さんはキスかもしれんけど……キスの先にあるものをゴールとしてる人もおる。きっと大人はそうかもしれん。そしてお嬢さんよりももっと小さい子……キスなんてそもそも知らない子やったら、本能的にしたいと思ったハグをゴールだと思ってる子もいるかもしれん』
綾乃「ふぅん……」
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