153:名無しNIPPER[saga]
2017/01/25(水) 22:15:15.39 ID:RFehJzWso
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果たして、黒い月とは何なのか?
今の地球において、その問いに答えられる者はいなかった。
154:名無しNIPPER[saga]
2017/01/25(水) 22:15:43.80 ID:RFehJzWso
地球に君臨するのはもはや人類ではなく黒い月であり、
種族の絶滅さえ目前にあると、人々は打ちひしがれた。
しかし、各地域を制圧した後の侵略者の行動は奇妙だった。
抵抗する勢力を余すところなく駆逐して力を見せつけたその後も、
155:名無しNIPPER[saga]
2017/01/25(水) 22:18:11.37 ID:RFehJzWso
釈然としない支配を受け入れ、人々は、
依然戸惑う気持ちを持ちつつも、かつての生活リズムを取り戻していったのだ。
そして、繰り返されるのが最初の問いである。
黒い月とは何なのか?
156:名無しNIPPER[saga]
2017/01/25(水) 22:18:47.50 ID:RFehJzWso
だが、黒い月はそれをしない。
常に単機で怪ロボットを送り込み、
キサラギと一対一の対戦を試みるばかりであった。
つまり……侵略者の目的はキサラギにある。
157:名無しNIPPER[saga]
2017/01/25(水) 22:19:15.85 ID:RFehJzWso
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地球防衛軍緊急即応隊、特設格納庫。
広さは十二分にあるが、
158:名無しNIPPER[saga]
2017/01/25(水) 22:19:57.79 ID:RFehJzWso
黒い月の物量の前に、
どうにか解体を免れようかという組織の戦力など無きに等しかった。
地球防衛軍はその名に見合う働きを見せることなく、すぐに壊滅すると思われた。
だが、思わぬ形で組織は延命することになる。
それがキサラギの登場である。
159:名無しNIPPER[saga]
2017/01/25(水) 22:20:40.92 ID:RFehJzWso
マミ「でも地球の運命を握る最前線にしては、ここはあまりにも寂しすぎるよねーっ」
最小限の人員でメンテナンスを受けるキサラギの肩で、
マミは、わざと語尾を大声にして発した。
「ねーっ」という声が、がらんどうの格納庫に響き渡る。
160:名無しNIPPER[saga]
2017/01/25(水) 22:21:27.71 ID:RFehJzWso
マミの隣で、いたわるようにキサラギの装甲を撫でたのはアミだった。
マミの不満はアミにしてもまったく同意だったが、
しかし今更過去のことをとやかく言っても仕方がない。
自分たちにできるのは、
せめてキサラギにお疲れ様、と言ってあげることくらいなのだ。
161:名無しNIPPER[saga]
2017/01/25(水) 22:22:42.08 ID:RFehJzWso
突然声をかけられ二人は驚き、
アミに至っては危うくキサラギの上から転げ落ちそうになった。
アミ「う〜、やっぱりまだ慣れないや。
可愛い小鳥から発せられる爺ちゃんのしゃがれ声」
162:名無しNIPPER[saga]
2017/01/25(水) 22:23:43.15 ID:RFehJzWso
不意に沈み込んだように聞こえた祖父の声。
それに反応したのか、投射された蒼い鳥の姿にザザッとノイズが走る。
アミ「爺ちゃん!」
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