384:名無しNIPPER[saga]
2017/02/12(日) 19:45:22.34 ID:NhytkIqso
だがタカネはマミの様子など意に介さず、
冷たい視線は無防備に宙を舞うアミに固定されている。
アミは空中で身動きの取れない中、巨大な武器が自分に向けられているのを見た。
強化された肉体とは言え、あんなものを食らえばひとたまりもない。
385:名無しNIPPER[saga]
2017/02/12(日) 19:49:59.95 ID:NhytkIqso
タカネ「っ、あ……」
薄く開かれた唇から、吐息とも喘ぎともつかない声が漏れ出す。
地球はもちろんアニマでも見せたことのなかった表情を浮かべたタカネは、
ユキドリルにドリルを構えさせたまま、
386:名無しNIPPER[saga]
2017/02/12(日) 19:52:39.36 ID:NhytkIqso
ミキ『そうは、させない……!』
タカネ「ぐっ……この……!」
ユキドリルの腕は地中深くめり込み、膝をついている。
387:名無しNIPPER[saga]
2017/02/12(日) 19:59:13.11 ID:NhytkIqso
瞬間、残されたもう一方のハンマーがユキドリルへと襲いかかる。
タカネは迫るハンマーを見据え、
もはや完全に合わせられたタイミングで見事ハンマーの軌道を逸らした
――はずであった。
388:名無しNIPPER[saga]
2017/02/12(日) 20:04:06.20 ID:NhytkIqso
なぜ、自分は今の攻撃を受け流すことができなかったのか。
タカネにはその理由が分かっていた。
分かっていたからこそ、驚いていた。
ミキはつまり、ドリルの回転と逆方向に、ハンマーに回転を加えていたのだ。
389:名無しNIPPER[saga]
2017/02/12(日) 20:06:04.83 ID:NhytkIqso
だが、今の技術はなんだ。
この距離から感じる鮮烈な気配はなんだ。
天才という言葉ですら表現しきれない何か別種の力が、
間違いなくこのミキという少女の体の中には秘められている。
390:名無しNIPPER[saga]
2017/02/12(日) 20:10:21.22 ID:NhytkIqso
高く跳躍し、蹴りを放とうとするヒビキの姿が、見開かれたタカネの瞳に映る。
タカネは意表を突かれ一瞬身を固くした。
が、生身であっても並外れた身のこなしを持つタカネである。
一直線に振り抜かれたヒビキの脚は、一瞬前までタカネが居た場所をただ通過した。
そして空振りした直後のヒビキの体に
391:名無しNIPPER[saga]
2017/02/12(日) 20:16:10.96 ID:NhytkIqso
しかし闘志を顕にし、ドリルを構えようとしたタカネの顔は
先ほどとはまた違う驚愕に彩られた。
手に力を入れた途端、
二つある操縦桿のうちの一つが音を立てて真っ二つに折れたのだ。
392:名無しNIPPER[saga]
2017/02/12(日) 20:20:43.74 ID:NhytkIqso
タカネ「絶対に……諦めて堪るものかぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!」
タカネの叫びに呼応し、ユキドリルが大きく挙動する。
そして、ハンマーとドリル、全力を込めた攻撃同士が正面からぶつかり、
周囲一帯に衝撃波が広がった。
393:名無しNIPPER[saga]
2017/02/12(日) 20:25:34.61 ID:NhytkIqso
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――目を開けると、真っ先に青い空が目に入ってきた。
同時に記憶が蘇る。
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