548:名無しNIPPER[saga]
2017/03/03(金) 20:45:02.19 ID:XOtx5OrXo
侃々諤々、両者は互いに一歩も譲らずに激しく主張をぶつけあう。
だが、次にアミたちのインカムから流れたのは、
唐突に消沈したような、呟くようなミキの声だった。
ミキ『……そっか、わかったの』
549:名無しNIPPER[saga]
2017/03/03(金) 20:46:09.79 ID:XOtx5OrXo
二人は反射的にその視線を追う。
するとその先にあったのは――ヤヨイを乗せて飛び去るヘリだった。
ミキ『……人類の敵は、みんなまとめてミキが倒すの』
550:名無しNIPPER[saga]
2017/03/03(金) 20:47:27.34 ID:XOtx5OrXo
アミ「今攻撃したらあの人たちまで巻き添えになっちゃうよ! ねぇミキミキ!!」
しかしやはりミキは答えない。
どころか回転はますます勢いを増し、光は強度を増していく。
このパワーが攻撃として放たれた時、
551:名無しNIPPER[saga]
2017/03/03(金) 20:48:51.23 ID:XOtx5OrXo
それはアミたちからすれば、あまりにも歪んだ正義感。
かつて地球を守るためハルシュタインに命をかけて立ち向かったミキの姿とは
似ても似つかないその姿に、二人は胸を強く締め付けられる。
宇宙を支配せんとするハルシュタインを倒すために、
552:名無しNIPPER[saga]
2017/03/03(金) 20:51:34.43 ID:XOtx5OrXo
マミ「やめて……! やめてよミキミキーーーーーーっ!!」
アミ「関係ない人たちを……ヤヨイっちを傷付けないでーーーーーーーっ!!」
瞬間、泣き声にも似た二人の叫びが響き渡る。
553:名無しNIPPER[saga]
2017/03/03(金) 20:54:13.96 ID:XOtx5OrXo
・
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ミキ『――全部、わかったよ。タカネが言ってたこと。
なんでミキにあの話をしたのかも、全部……』
554:名無しNIPPER[saga]
2017/03/03(金) 20:55:08.33 ID:XOtx5OrXo
タカネ『星井ミキ、貴女は……』
ミキ『大丈夫。もう覚悟は決まったから。ううん……本当は最初から決まってたの。
だってミキは、地球を守るために命をかけるって、決めてたんだもん。
だから怖くなんかないよ。
555:名無しNIPPER[saga]
2017/03/03(金) 20:57:45.35 ID:XOtx5OrXo
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光は、目を焼き尽くさんばかりの強烈さと、暖かく体を包み込む優しさを以て、
アミたちの視界を覆い尽くした。
556:名無しNIPPER[saga]
2017/03/03(金) 20:58:48.69 ID:XOtx5OrXo
ミキ『……やっぱり、二人とも優しいね』
その声に我に返り、二人は目の前のリッチェーンへと目を向ける。
インカムから聞こえた声は消え入りそうな、
しかし二人のよく知るミキの声であった。
557:名無しNIPPER[saga]
2017/03/03(金) 21:00:03.98 ID:XOtx5OrXo
ミキ「ごめんね……。ミキ、考えるのってあんまり得意じゃないから、
こんな方法しか思いつかなくて……本当に、ごめんね……」
謝るミキに、アミもマミも何も返すことはできない。
問いかけることもできない。
558:名無しNIPPER[saga]
2017/03/03(金) 21:01:10.68 ID:XOtx5OrXo
いつしかキサラギはリッチェーンを抱き抱えていた。
アミとマミはコクピット内に入り、ミキの手を握っている。
ミキはもう、動かなかった。
優しさと強さをたたえた笑みを浮かべたまま、
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