過去ログ - いろ鬼 (オリジナル百合)
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10: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/07(火) 14:30:53.24 ID:ibuo0eth0
閉ざされている扉のドアスコープにぎりぎり確認できる位置で立つ。
あちらからは見えるという状況があまり好きじゃない。
というか見られているという感覚が単純に苦手。
ロックが外されて、中から男の子が出て来た。
背丈は私よりもうんと小さい。可愛らしい。
以下略



11: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/07(火) 14:45:14.25 ID:ibuo0eth0
「あ、えっとここには僕一人しか住んでないって意味で」

どういうことなの。

「それは、ご両親とかご兄弟とかもいないってこと?」
以下略



12: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/07(火) 14:55:40.79 ID:ibuo0eth0
ずり落ちかけた眼鏡を戻して、私は涙を拭く。
彼の紅葉のような手を握りしめようと手が勝手に伸びていたので自制。
落ち着いて。今、ここで彼に危険人物と思われたら、一生お近づきできなくなる。

「せっかくプリント届けてもらったから、良ければ飲み物でもどう?」
以下略



13: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/07(火) 15:20:51.90 ID:ibuo0eth0
部屋に入ると、一人では広すぎるんじゃないかと突っ込みたくなるくらい簡素だった。
ソファに座り、じわりと噴き出した汗を手のひらで拭って、私は彼の持ってきてくれた紅茶に口づける。

「あ、お菓子もあるからね」

以下略



14: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/07(火) 16:04:01.47 ID:ibuo0eth0
なんでだろう。
この子が言うと、本当にそんな気さえしてしまう。
そんな訳がないのに。
けど、こんな風に人に優しい彼がどうして閉じこもっているんだろうか。
特に、彼の性格に問題があるようにも思えない。
以下略



15: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/07(火) 16:06:02.97 ID:ibuo0eth0
いったんここまで


16: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/07(火) 21:29:16.73 ID:ArEOG84Z0
それが彼との最初の出会い。
次の日。高校の正門の前で、

「やあやあ、ミラちゃんおはよう」

以下略



17: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/07(火) 21:39:14.51 ID:ArEOG84Z0
少し驚いて、先生の話に耳が傾いた。
先生やっと話を聞いてくれると思ったのか、

「彼、とっても愛らしい容姿だっただろ? 周囲からね、その、色々あるんだなあこれが」

以下略



18: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/07(火) 21:55:03.05 ID:ArEOG84Z0
1限目、クラスメイトの一人が遅刻したので、遅刻届を提出するように促さなければならなかった。
斜め隣の席にいたので、懇切丁寧に紙にしたためて放り投げてやった。
そいつは、紙を開いて、坊主頭をぐるぐる回し、私と目が合うや、『めんどくさい』と口パクで教えてくれた。
私は切れ気味に、舌打ちして、前の席の男子生徒の椅子を蹴り上げる。

以下略



19: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/07(火) 22:14:05.91 ID:ArEOG84Z0
3限目前の小休憩。

「おい、宿題やったか?」

「やってねえよ」
以下略



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