859:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 20:27:37.39 ID:ha7ZcpN9o
ふらつきながら、それでも瞳には力強さを残したままにダイヤが現れる。
左腕の全体が氷に覆われていて、他にも細かな傷に満身創痍。
だがその表情は、一局の勝利を鞠莉へと雄弁に知らせている。
傍らにはエンペルトとディアンシー。
860:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 20:28:13.45 ID:ha7ZcpN9o
鞠莉「…Wha、t…?」
息が冷たい。指先がかじかむ。
鞠莉の全身から力が抜け始めている。
861:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 20:29:00.34 ID:ha7ZcpN9o
絵里が切り札、メガユキノオーを出し渋ったのには理由がある。
氷使いである絵里にとって、戦況は凄まじい逆境からのスタートだった。
鞠莉の戦略、大量の炎ポケモンで取り囲まれるという完全なる対策。
862:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 20:29:30.16 ID:ha7ZcpN9o
絵里「小原鞠莉、厄介だったわ。本当に」
ダイヤ(……く、っ…私も…!)
絵里「眠くなってきたかしら。そのまま目を閉じなさい、氷の揺り籠は万人に等しく優しいわ」
863:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 20:29:57.79 ID:ha7ZcpN9o
鞠莉のギャロップ、ダイヤのガラガラまでもが意識を薄れさせていっている。
火勢は緩み、炎が氷に屈しようとしている。理が捻じ曲げられている。
エンペルトに、伝説のポケモンであるディアンシーまでもが同様に。
ダイヤは気が付く、肺腑が奥まで凍り始めている事に。
864:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 20:30:24.37 ID:ha7ZcpN9o
ダイヤ「……絵里、さん、貴女は今、私を殺そうと…?」
絵里「そうね。苦痛を少なく死ねるように、調整はしているけれど」
865:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 20:30:55.41 ID:ha7ZcpN9o
ダイヤ「関係、ない…っ!」
絵里「無茶よ」
ダイヤ「断じて!!断じて絵里さんは、罪なき人々を殺めるような方ではありません…」
866:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 20:31:27.47 ID:ha7ZcpN9o
絵里、メガユキノオーは、厳冬をダイヤへと集めていく。
これは死地。両親の、そしてルビィの顔が脳裏によぎる。
だが今のダイヤは、安心してそれを横に置くことができる。
867:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 20:31:54.41 ID:ha7ZcpN9o
ダイヤ「修復無用!!!」
突き刺す!!
柳刃包丁のようなサイズのそれを躊躇なく傷口へと突き立て、二度、三度。自ら左、その肘先を切断…!
868:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 20:32:28.78 ID:ha7ZcpN9o
狂気に取り合うつもりはないとばかり、絵里が令じるは即座の烈風撃。
万物を停止させる冷気もさることながら、風速もまた大型台風の暴風域が如し。
舞い積もった大量の雪を巻き上げ、地吹雪が怒涛を馳せる!
エンペルト、ガラガラ、ディアンシー。
978Res/1221.34 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。