932:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 21:19:48.15 ID:ha7ZcpN9o
 トレーナーの四人と追従するポケモンたち、その全員が動作と思考を組み直す。 
 それぞれが油断なく向き合ったままに呼吸を収めている。 
  
 戦況を整理しよう。 
 奇しくも双方、残りは同数。 
933:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 21:20:23.15 ID:ha7ZcpN9o
 理亞「ごめんなさい…ごめんなさい…私が足を引っ張ったせいだ…」 
  
 聖良「大丈夫。落ち着いて、理亞」 
  
  
934:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 21:21:04.25 ID:ha7ZcpN9o
 聖良(思えば、選択肢など存在しない人生でした) 
  
  
 選べたと言えるのは、諦めて死ぬか、罪を犯してでも生き延びるかの二択だけ。 
  
935:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 21:21:31.58 ID:ha7ZcpN9o
 千歌は、聖良の瞳に漆黒を見ている。 
  
 ごくごく凡々、平和な人生を生きてきた。 
 巨大な悪意に接することなんて、オハラタワーの一件まではまるでなかった。 
  
936:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 21:22:10.62 ID:ha7ZcpN9o
 千歌「…悲しいんだね」 
  
 聖良「……理不尽だとは思いますよ、この世界は。私たちは生きていたい。ただそれだけなのに…」 
  
 千歌「じゃあ、ウチウラにおいでよ。自然以外はなんにもないけど、頭を空っぽにするにはすごくいい場所なんだよ」 
937:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 21:23:12.99 ID:ha7ZcpN9o
 だが、千歌の手が届くことは決してない。 
  
 千歌たちが勝てば聖良と理亞は監獄へ。そのまま奈落で朽ちるだけ。 
 運命は辛辣に、二人にそれだけの罪を重ねさせてきた。 
  
938:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 21:23:40.90 ID:ha7ZcpN9o
 『ムッシャ……!』 
  
 ルビィ(ずっと粘ってくれたね…でももう、多分耐えられない。なら!) 
  
 理亞「やれ!!」 
939:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 21:24:11.89 ID:ha7ZcpN9o
 理亞「あっ…マニューラ!」 
  
  
 一、二と振り下ろす拳!! 
 それはメガガルーラの代名詞とでも呼ぶべき技、相手を殴りつつ自らの攻撃力を高めるオーラを纏うことのできるパンチだ。 
940:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 21:24:40.39 ID:ha7ZcpN9o
 “おにび”によって放たれる幽火は極めて特殊、相手の身を直接焼くことは出来ない虚ろの炎だ。 
 ただその火が相手を捉えれば、“焼けた”という結果だけを呪いとして刻み付けることができる。つまり相手はやけどだけを負う。 
  
 やけどはひり付く痛みに相手の力感を妨害する。 
 判を押したような言い回しをするならば、物理攻撃力を削ぐことが可能。 
941:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 21:25:34.30 ID:ha7ZcpN9o
 ルビィと理亞が視線をぶつけるその隣、千歌と聖良、二人の戦況認識は共通している。 
  
 千歌にとって最大の盾、ラッキーは倒れた。 
 ここからはヒードランをどう通すか、どう処理するかが勝負を分ける。 
  
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