過去ログ - これから日記を書く 七冊目
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721: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/02/26(月) 00:56:48.82 ID:4Lj0x3aA0
それぞれがそれぞれの帰宅の路に着く。保安官とジェーンは、外のベンチに座っている放浪者に一声かけ、自分達のいる店(ばしょ)へと戻っていく。

「マイマスター。お力添えが必要であれば、何なりと及びください」

「ありがとう。ロッサ。貴方は研究所警護の任務を、お願いします」
以下略



722: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/02/26(月) 01:22:04.95 ID:4Lj0x3aA0
「なんで勝手に1人でいっちゃうんだぞ? 皆心配したんだぞ」

「(そうだよー! スラもしんぱいだった!)」グニュグニュ

心配してくれる存在、声はわからずともスラもそう言っているのが分かり、放浪者は静かに微笑み、2人の頭を撫でた。
以下略



723: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/02/26(月) 01:31:22.24 ID:4Lj0x3aA0
藍の様子を見るに、納得していない様子ではあった。スライムも恐らく、信用している姉の態度を見て、一緒に怒っている事もわかる。

「…ありがとう。少し疲れたからな、部屋で休むとする」

放浪者は立ち上がり、自分の部屋のある拠点内へ戻る。塀を横切り、そのまま玄関のノブに手が触れようとした時だった。
以下略



724: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/02/26(月) 01:49:18.50 ID:4Lj0x3aA0
「…。仮に、俺が死んだとしても、メンバーは生き残るならそれで構わない」

「それが、無責任だって、知らない?」

この苛烈な様子で、彼女が放浪者に食って掛かってきたことがあった。その時は、初めてあった時、思えば彼女は不安で、自分本位な怒りだった。けれど今の怒りは違う、放浪者自身への心配を含め、メンバーのことを前提とした、優しい怒りだった。
以下略



725: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/02/26(月) 02:01:04.23 ID:4Lj0x3aA0
家の中に入り、浜村に突き付けられたその重い事実に、いつもより足取りが重くなるのを放浪者は感じていた。内心、出る前に山中と一言交わしてから飛び出したのだから、そこまで怒ってはいない。と高を括ろうとしたが、自室の中に入り、目に入った相棒の様子は、当然のように怒っていた。

もちろん、デスクに向かって今日の任務について記録を無言で残しているだけだが、彼だけにはわかる怒りを、こちらに向けてきている。ゆっくりと、中に入りドアを閉める。そのまま自分が使っているベッドに腰かけて、彼女の動くのを待とうとした。

だが、思うのより早く、彼女は立ち上がる。ゆっくりとした動作で放浪者の前にたって、膝立ちになり恨めしい顔を彼の顔に近づけた。吐息を感じる。
以下略



726: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/02/26(月) 02:18:43.54 ID:4Lj0x3aA0
山中の怒りが収まるまで摘ままれた放浪者の両頬は、それなりに赤くなった。

「…オーガ、及び先ほど名付けたカマイタチという上位種は、恐らくバリケード内に潜んでいる。引き続き、大型駅エリアそのものの脅威は変わりない。大型駅確保も、当面の活動に関わる。あのエリアを解放、そして確保してようやっと文明復活の足がかりが整う」

「いよいよの大詰めになりましたね」
以下略



727: ◆e6bTV9S.2E[saga sage]
2018/02/26(月) 02:20:24.31 ID:4Lj0x3aA0
>>719
受けました。

>>720
わりと洒落にならないんだけど、否定できない自分が嫌。


728:名無しNIPPER[sage]
2018/02/26(月) 10:13:05.96 ID:C0tRLVF90
乙!
理不尽な怒りをぶつけられるんじゃなければ、落ち着いたもんだなぁ


729: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/02/27(火) 00:49:28.86 ID:YMK6GQZv0
井門は火器保管庫にいた。彼もまた、今回の戦いにおいて消耗した弾薬のチェックや、火器のメンテナンスをいつも通り行っている。移動距離としては、彼が最も大立ち回りをしたと言っていい。その事での疲労も十分あるのにこうしているのは、井門の持つバランス感覚が、重大な戦いの後だとしても浮かれられない。ちょっとした損な気質とも言える。

「井門さん、いますかー?」

「あぁ、どうした。一ノ瀬」
以下略



730: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/02/27(火) 01:09:36.45 ID:YMK6GQZv0
「なんていうか…」

テラスの上から、外を警備しながら三間が呟く。隣にいる蒲谷は、その声に緩く顔を向け、次の言葉を待った。

「すごい戦いがあったはずなのに、何か、昨日と同じになっちゃうんですね」
以下略



731: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/02/27(火) 01:29:26.79 ID:YMK6GQZv0
「小林…、無事皆で生き延びることができたよ…」

月明かりの中、林道は小林の墓の前で今日のことを報告していた。補給部隊に覚と勝が来ていたことに驚いたこと、同時にそれが自然な流れなのだと納得したこと。この奇跡とさえいえる勝利は、間違いなく放浪者によって得られたことなどを、思い思いに。

「…。勝は、きっと近いうちに独り立ちするだろう。それまでに、教えられる技術は教えておかないと。何かあったでは、遅いのだから」
以下略



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