【オリジナル】「治療完了、目をさますよ」2【長編小説】
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237:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/25(木) 18:53:10.59 ID:vhS4jR9Y0
彼女は視界の端で、肩口から血を流したソフィーが意識を失ったのか、地面に突っ伏したのを確認してから、日本刀を振った。
それが大口径の拳銃に変化し、間髪をいれず脳型のスカイフィッシュに向けて引き金を引く。
真っ直ぐ飛んだ銃弾は、しかし突き刺さることはなかった。
脳が軽く脈動した途端、彼女たちの周囲の空気が、まるで強烈なマグニチュードの地震が起こったかのように揺れた。
たまらず地面に転がった汀の目に、銃弾が突き刺さる直前で爆裂し、煙を上げたのが見える。
以下略 AAS



238:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/25(木) 18:53:39.96 ID:vhS4jR9Y0
まずい。
もう少しなんだ。
もう少しで、私は人を救えるんだ。
そして、これからなんだ。
この悪夢を抜けて、私は。
以下略 AAS



239:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/25(木) 18:54:16.75 ID:vhS4jR9Y0
「そこじゃないよ。もう少し上」

汀は、はっきりと耳の奥で声が聞こえ、目を見開いた。
誰かが隣に立っている。
優しく、温かい感覚。
以下略 AAS



240:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/25(木) 18:55:35.78 ID:vhS4jR9Y0
ダルマになったアルバートに覆いかぶさるように、巨大な脳が蠢いていたところだった。
その中心部が割れ、中から巨大な回転ノコが現れる。
高速回転を始めたノコを見て、アルバートが金切り声の悲鳴を上げた。
それが彼の眉間を両断する……という瞬間。

以下略 AAS



241:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/25(木) 18:56:10.20 ID:vhS4jR9Y0


「…………」

汀はグチャグチャに飛び散った脳漿の海の中で、もがくようによろめきながら、なんとか立ち上がった。
以下略 AAS



242:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/25(木) 18:56:41.44 ID:vhS4jR9Y0
『汀ちゃん! 通信がつながったぞ!』

ヘッドセットの奥から歓声が聞こえる。
汀はアルバートを見下ろして、囁くように言った。

以下略 AAS



243:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/25(木) 18:57:18.30 ID:vhS4jR9Y0


「先生? 先生!」

呼びかける声が聞こえた。
以下略 AAS



244:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/25(木) 18:57:52.62 ID:vhS4jR9Y0
「二時間後の十五時からです。診察は空いてらっしゃるとお聞きしましたので……」
「今日は、別の先生が担当してくださるの。大丈夫、時間になったら会議室に行きます」

二十代前半程の彼女……汀は、眼鏡の奥の左目を細めて、小さく首を傾げた。

以下略 AAS



245:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/25(木) 18:58:20.85 ID:vhS4jR9Y0


関東赤十字病院の中庭に車椅子を進め、汀は街路樹が並んでいる隅のベンチ、その脇に停止させた。
彼女の眼鏡の奥の右目は白濁していた。
視力は完全にない。
以下略 AAS



246:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/25(木) 18:58:49.54 ID:vhS4jR9Y0
「元気そうだな」

そこで汀は声をかけられ、顔を上げた。
彼女の前に、スーツ姿の初老の男が立っていた。
彼は堀りが深い顔で汀を見下ろして、言った。
以下略 AAS



247:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/25(木) 18:59:25.06 ID:vhS4jR9Y0
軽口を叩いてきた汀に笑いかけ、彼はタバコに火をつけ、フーッと息を吐いた。
煙の匂いをかぎながら、汀はパックの野菜ジュースのストローを口にくわえた。
彼女の膝の上に置いてある、動かない左手の薬指には、プラチナの指輪がはまっていた。
それをしばらく見つめてから、男性は視線を青い空へと向けた。

以下略 AAS



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