62:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 02:09:44.11 ID:kEcSo673O
「も、もりくぼは……」
──いや、違う。もりくぼじゃない。私はどうなのか、なんだ。
63:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 02:10:47.81 ID:kEcSo673O
他の人には大きく離されているけど──
「そ、それでも……」
64:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 02:12:01.40 ID:kEcSo673O
それを認めた途端、音を立てるような勢いで目から涙が溢れました。嗚咽を必死に抑え、言葉を絞り出します。
伝えたいことは、もっとある。
65:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 02:12:53.39 ID:kEcSo673O
その赤いネクタイに涙の粒がじんわり染みていくのを感じ、ようやく私はPさんに抱き締められていることに気付きます。
それは父が娘を守るような、あるいはチームメイトと固く組み合うような、そんな抱擁でした。
66:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 02:14:08.68 ID:kEcSo673O
そんなPさんの言葉に応えようとしますが、喉が詰まって声を出せません。
そんな事ないのに。こんなダメな私の事を、Pさんはいつも考えてくれていたのに。
67:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 02:15:08.52 ID:kEcSo673O
Pさんは、喉をこくりと動かして、一度大きく息を吸いました。
「俺はダメなプロデューサーかもしれない。 最早信頼出来なくても、仕方ないのかもしれない。 今更こんなことを言うのは、狡いのかもしれない」
68:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 02:16:27.76 ID:kEcSo673O
ここまで優しく、ゆっくりと話していたPさんが、言葉に少し力を込めます。
「『アイドルになりたい』という森久保の願いは、俺が叶える。 何としてでも叶えてやる。だから……」
69:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 02:17:07.65 ID:kEcSo673O
私はそっと、Pさんの大きな手を両手で握ります。
そして、いつもと同じように目を宙に逸らしながら。
70:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 02:18:45.39 ID:kEcSo673O
「それじゃあ、その。……オムライス、食べに行くか」
そうPさんが言ったのは、不思議な握手をしたすぐ後のこと。
71:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 02:20:39.63 ID:kEcSo673O
ライブに見入って、長話をして、泣いて、手を握り合っている間に。外はすっかり暮れていました。
暗い夜の景色の中、道路に遠くまで白線が伸びています。それが私達の前に続くレールのようで、何だか私は嬉しくなっていました。
76Res/51.03 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20