499: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/10/17(木) 20:38:13.33 ID:zgNk9AA8O
処刑当日、目の前の者はコンクリートの床の上で口を塞がれ、手足を縛られて転がっていました。周りには姉を含む他の隊員が立っていました。きっと私の醜態を見届ける気だったのでしょうね。床の上の者が暴れれば直ぐに近くの者が殴って黙らせます
私の手には処刑用のモーゼルC96が握られていました。本来は拳銃の中でも遠距離向きなものなのですが、国内でも日中戦争での将校の捕獲品として辛うじて残っていたため、黒森峰でもステータスシンボルとして使われていました
心臓が激しく鼓動し、手は汗で銃を滑って落としそうなほど濡れていました。元から重かった、というのもありますが
500: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/10/17(木) 20:38:57.57 ID:zgNk9AA8O
「お前がどうしても撃たないなら……仕方ない」
左側頭部に金属らしきものが当たるのを感じました
501: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/10/17(木) 20:39:25.83 ID:zgNk9AA8O
その時でした。首の後ろを一筋の風が吹き抜けます。後ろの髪の数本が自分ではなくなります。耳元では鼓膜がちぎれんばかりの音が轟きます。壁には弾丸がめり込み、その周辺も放射状にひび割れていました
恐る恐る左を見ると、高く挙げられた姉の銃からは縦に煙が登っています
502: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/10/17(木) 20:40:13.18 ID:zgNk9AA8O
無言で言うことを聞き続けてくれた。口を挟むのは野暮だと思ったのか
「これが、私です。これでも、私を友達と思ってくれますか?人と付き合う時、あなたはその人が殺人者であると考えますか?
503: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/10/17(木) 20:40:52.11 ID:zgNk9AA8O
友情、ねぇ。ついこの前までそれを否定するようにされてきた、というのに、今はその言葉を聞いて、言いようのない安心に包まれている
「育んだ友情……」
504: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/10/17(木) 20:42:07.67 ID:zgNk9AA8O
「それにしても、どうして西住殿のお姉さまは妹に銃を突きつけるなんて事ができたのでしょう?私に兄弟はいませんが、父や母に銃を向けるなんて考えただけで……」
「……一度だけ、聞いた事があります。本当に撃つ気だったか、と。姉は頷き、
505: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/10/17(木) 20:42:36.30 ID:zgNk9AA8O
「ところで、もう一つのお話というのは何でありますか?」
優花里さんが次の話を振ってきた。ありがたい。精神的交流を図れた以上あまり用はない。そもそもどちらも好んで使いたい話題じゃないんだから
506: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/10/17(木) 20:44:22.62 ID:zgNk9AA8O
「……明日は、勝てたとしても被害が確実に出ます」
これだけは、避けられない
507: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/10/17(木) 20:45:59.23 ID:zgNk9AA8O
小さな地震の様な揺れでホシノは目を覚ました。折角眠ってたのに。イラつきながら身を起こすとそのせいか隣のナカジマも起きる
「ごめん、起こした?」
508: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/10/17(木) 20:46:41.16 ID:zgNk9AA8O
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防衛隊と親衛隊
黒森峰女学園には2つの軍事組織がある。学園都市防衛隊と学園長親衛隊である。これら2つは成立経緯が異なり、防衛隊は学園艦時代の船舶科を、親衛隊は学園艦時代の治安維持隊をルーツとしており、地位的には親衛隊が優位とされている
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