1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/25(月) 21:41:38.34 ID:d5tGG4Gs0
アイドルマスター・シンデレラガールズの白坂小梅さんのSSです。
SSWiki : ss.vip2ch.com
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2013/03/25(月) 21:45:59.77 ID:Y4QZFhoq0
ほう…
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2013/03/25(月) 21:46:22.04 ID:d5tGG4Gs0
白坂小梅はみえている。
『それ』が何なのかは分からない。
彼女には、『あの子』という存在の他にも、色々なものがみえている。
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2013/03/25(月) 21:49:11.87 ID:d5tGG4Gs0
「あ…あの、お、お見舞い…です」
音を立てないよう、控えめにドアをスライドさせて入ってきたのは彼女だった。
近くのコンビニで買ってきてくれたのだろう、消化吸収によさそうなものを持って。
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2013/03/25(月) 21:51:20.45 ID:d5tGG4Gs0
「あの、夜のこと…覚えて、ますか?」
あの夜。
この仕事をしていた夜のこと、とすぐに気付いた。
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2013/03/25(月) 21:53:18.08 ID:d5tGG4Gs0
『小梅…次の仕事、決まったぞ!心霊スポットでのロケらしい…よかった!』
俺の持ってくる細々とした仕事にも頑張ってくれていた小梅には、ご褒美とも呼べる仕事だった。
小梅はホラー映画、心霊スポット巡りが好きだったりする。特技には怪談と書くくらいだ。
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2013/03/25(月) 21:55:13.79 ID:d5tGG4Gs0
「私は…嬉しい、です、けど…プロデューサーさん、とか…他の人が、危ない、かも」
危ない?小梅が言うなら相当だ。彼女にはみえているのだから。
けれど、そのときの俺はうれしさのあまり、それを深くは考えていなかった。
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2013/03/25(月) 21:56:26.15 ID:d5tGG4Gs0
俺はあまり、ホラーだとか、怪談だとかは得意ではない。
最近やっと小梅のプロデュースで慣れてきた、という感じだった。
『こ、小梅…その、どうだ?う、上手く…やれそうか?』
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2013/03/25(月) 21:57:53.71 ID:d5tGG4Gs0
まず入ったのは児童養護施設の廃墟だった。
天井が崩れていたり、足場が不安定だったりする箇所が多いので、
事前に耐久性に問題がない場所だけを選んでロケを行うこととなっていた。
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/25(月) 21:58:51.87 ID:d5tGG4Gs0
次に向かったのは木造の学校跡だった。
玄関ホールは広く、入ってすぐに運動場が目に入る。
木造だったこともあり、殆ど焼けてはいるが、それでも原型はとどめていた。
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/25(月) 22:00:13.21 ID:d5tGG4Gs0
俺にも見えた。なんだ、あれ。俺たちのライトじゃない。
誰か、いる?そんなわけがない。考えているうちに、光は消えた。
静寂が降りてくる。番組プロデューサーですら、そうだった。
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/25(月) 22:01:40.26 ID:d5tGG4Gs0
「こ、これ…」
「ここは…ダメ」
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/25(月) 22:02:47.67 ID:d5tGG4Gs0
この一帯はもう電気など通ってはいないのに。
放送室のテストスピーカーからマイクが拾った声が流れだす。
ひっ。女性スタッフが出した恐怖の声。
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2013/03/25(月) 22:03:30.62 ID:d5tGG4Gs0
早く出ろ!
霊媒師がそう叫んで放送室に駆け込んで無理やりスタッフを引きずり出す。
あとはあの番組プロデューサーだけだ。あとひとり。
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/25(月) 22:04:51.62 ID:d5tGG4Gs0
やばいですよ、ここ。カメラマンが俺に話しかける。
ここ、他の人からも止めておけって言われてたんです。すみません。
『いえ、大丈夫です』
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/03/25(月) 22:05:52.24 ID:HMg7ZGXXo
i.imgur.com
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白坂小梅(13)
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/25(月) 22:06:14.91 ID:d5tGG4Gs0
何だよこれ。どんどん手形が増えていく。
いや。もう、いや。なんでこんなことに。女性スタッフは泣き崩れている。
手形でぼやける視界の中、確実にハンドルを切っていく。ここで死ぬのはごめんだ。
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/25(月) 22:06:51.76 ID:d5tGG4Gs0
後はこの道を直進するだけで街に着く。もう大丈夫だ。
ああ、ここはどこだ?もう引き返したのか。
調子に乗るべきではなかったな。すまない。ああ。彼がそう言って謝る。
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/25(月) 22:07:40.95 ID:d5tGG4Gs0
いきなり異常なまでの力でハンドルを奪われる。
彼は力いっぱいアクセルを踏み、どんどん加速していく。
俺は立っている事も出来ず、ふらつきよろめき、車両の後方へと放り出される。
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/25(月) 22:08:35.06 ID:d5tGG4Gs0
気がつくと知らない部屋にいた。病室と認識するまでに時間はかからなかった。
隣で目を覚ましたのを確認したちひろさんが泣いて事務所に報告していた。
プロデューサーさんが目を覚ましました、と。
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/25(月) 22:09:35.21 ID:d5tGG4Gs0
「わ、わたし…小学校に、あがるくらい、から…はっきり、みえるようになって…」
「もっと小さいころからも、何か…みえてた、みたいで…」
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