過去ログ - 「死屍累々、全てを呑み込むこの街で」
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1
:
◆XkFHc6ejAk
[saga]
2016/11/02(水) 21:18:46.48 ID:dXFzxhXQ0
「奇奇怪怪、全てを呑み込むこの街で」
ex14.vip2ch.com
「喧々囂々、全てを呑み込むこの街で」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1470921413/
の続編です。彼らの最後のお話となります。
SSWiki :
ss.vip2ch.com
2
:
◆XkFHc6ejAk
[saga]
2016/11/02(水) 21:26:55.11 ID:dXFzxhXQ0
月が無いな、と誰かが呟きました。
見上げた夜空は、まるで墨で塗りつぶしてしまったかのように、黒々としています。
「イサクラ」の街が形成されて以来、月が無い夜など見た事がありませんでした。
以下略
3
:
◆XkFHc6ejAk
[saga]
2016/11/02(水) 21:33:06.64 ID:dXFzxhXQ0
「ほぉら、本物はこっちでしたぁ〜」
「ッチィ……」
いつもの路地裏で、男と老人は博打をしていました。
以下略
4
:
名無しNIPPER
[sage]
2016/11/02(水) 22:49:41.38 ID:SIZS/67GO
最後なのか、残念だなぁ
5
:
名無しNIPPER
[sage]
2016/11/03(木) 06:27:15.03 ID:UiwOhpcx0
待ってた
6
:
◆XkFHc6ejAk
[saga]
2016/11/03(木) 20:40:04.88 ID:LfWmyaZi0
男と老人は小さな店の前にたどり着きました。
店はかなり古く、灰色の朽ちた看板の文字は読むことが出来ません。
男が雑にドアを開けると、中は夥しいほどの本で埋め尽くされていました。
以下略
7
:
◆XkFHc6ejAk
[saga]
2016/11/03(木) 20:46:54.92 ID:LfWmyaZi0
「あー、そういやそいつらがおったか。せやねん。呪い喰う奴おんねん」
「この街にも居るのか?」
「せやけど、そういう治癒系の種族って……ほら、アレやん。簡単にはいかんで?」
以下略
8
:
◆XkFHc6ejAk
[saga]
2016/11/03(木) 21:26:19.03 ID:LfWmyaZi0
――
此処は廃遊園地。フードを被った子供達が集まって話し込んでいる。
中央には一人の男。年齢は四十代と言った所で、顔には大きな切り傷の痕が斜めに付いている。
以下略
9
:
◆XkFHc6ejAk
[saga]
2016/11/03(木) 21:28:45.44 ID:LfWmyaZi0
今の揺れで本棚は倒れ、中の様子はひどいものとなっていました。
まぁ原因はワタクシの本体によるものですがね。フフッ。
何処かで発生した強い「悪意」に、少し血が疼いてしまったようです。一瞬起きてしまった脈動の衝撃が、地盤を揺らしてしまいました。
以下略
10
:
名無しNIPPER
[sage]
2016/11/04(金) 14:42:23.09 ID:ZwWaB/vuO
乙
猿良いキャラ
11
:
名無しNIPPER
[sage]
2016/11/06(日) 17:33:08.43 ID:Rk1IAsRz0
乙
12
:
◆XkFHc6ejAk
[saga]
2016/11/06(日) 21:07:12.67 ID:8pj/VA940
訪れた地は、寂れた物悲しげな土地でした。
物はほとんどなく、数本の枯れた木が寂しげに立っています。
猿はここや、と様子で指を指します。
以下略
13
:
◆XkFHc6ejAk
[saga]
2016/11/06(日) 21:27:36.58 ID:8pj/VA940
男達は村の奥にある大きなテントに招かれました。
「なぁ、聞いてた話と違うんだが。歓迎してんじゃねえかよ?」
「わしのコミュ力なめたらあかんで。それと前来た時に色々役に立たせてもらってな」
以下略
14
:
◆XkFHc6ejAk
[saga]
2016/11/06(日) 21:37:21.65 ID:8pj/VA940
男が苛立つのをやめ――と言うより、思考を停止させて――二時間ほど経ち、ようやく男の身体から、呪いが消え去りました。
「……ふぅ、まさか三十人でようやく喰えるほどの呪いとは……」
「あァ……やっと身体が軽くなった!!」
以下略
15
:
名無しNIPPER
[sage]
2016/11/07(月) 01:27:01.43 ID:xVT3GY21O
乙
16
:
◆XkFHc6ejAk
[saga]
2016/11/07(月) 19:13:05.47 ID:EozJ1WBt0
誰もが寝静まった夜、虫の透明な声が響き渡る中、闇に一匹と一人の声が広がります。
「……蠅王サン、起きとるやろ?」
「ん?」
以下略
17
:
◆XkFHc6ejAk
[saga]
2016/11/07(月) 19:25:10.98 ID:EozJ1WBt0
――
さて、しばらくの間、随分と男と老人を眺めすぎていたようですね。
このままでは話が進みませんし、隠すのは止めに致しましょう。
以下略
18
:
◆XkFHc6ejAk
[saga]
2016/11/07(月) 19:40:48.12 ID:EozJ1WBt0
彼らは全てが人間。亜人に溢れたこの街では、場違いなほどにか弱い生物で御座います。
メンバー全員の子供達が親に捨てられ、居場所を失っています。
ミゼルと呼ばれる男は恋人に裏切られ、全てを無くしてこの街に残されました。
以下略
19
:
名無しNIPPER
[sage]
2016/11/08(火) 13:15:56.35 ID:L/SSVT7FO
乙
この街で人間が生きていくのは大変そうだもんなぁ
20
:
名無しNIPPER
[sage]
2016/11/08(火) 16:35:52.35 ID:O+8DmxbE0
おつ
21
:
◆XkFHc6ejAk
[saga]
2016/11/09(水) 15:33:31.25 ID:WBahAE5V0
すっかり回復した男は、ピンク色の看板が立ち並ぶ大通りで老人を待っていました。
冷たい風がぴゅうと男の首元を通り抜けます。男は身震いしました。寒さはあまり得意ではありません。
ったく、いつまで待たせるつもりだ。男は眉間に皺を寄せて悪態を付きます。
以下略
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