2:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2010/05/30(日) 02:35:39.90 ID:C.5zaQk0
遊戯王ですね。わかります。
3:1[sage]
2010/05/30(日) 02:36:01.30 ID:1o/NXgko
満月のまぶしい夜だった。
巨岩が転がり果てているひっそりと寝静まった断崖地帯に、何者かの人影がふわりと浮かぶ。
続いてコウモリのように飛び回る小さな影がその後を追っていった。
4:1[sage]
2010/05/30(日) 02:37:06.38 ID:1o/NXgko
「――おぉ。なかなかいい家じゃないか」
と評したダルクの家は、相当の年季を思わせる木造り小屋だった。
林の中に隠れるように建てられたその一軒屋は、おとぎ話に出てきそうな怪しげな外装を呈しており、それがすでに好印象だ。
5:1[sage]
2010/05/30(日) 02:37:56.27 ID:1o/NXgko
荷下ろしは存外すぐに終わった。
着替え、魔道書数冊、申し訳程度の食料に少しばかりの金銭――元より持ち込んだ物資はそう多くない。
基本的には自給自足に基づいて日々を過ごすことになる。
6:1[sage]
2010/05/30(日) 02:38:44.51 ID:1o/NXgko
すでに満月も傾いていた。
もう夜更けもいいところだが、森羅万象の天然の中で完全に沈黙がおりることはない。
耳を澄ますと虫たちの合唱は無論のこと、夜行性の獣モンスターの鳴き声も遠く響いている。
いくら闇の力を業とする精霊使いでも、不慣れな外界での夜は決して油断ならない。
7:1[sage]
2010/05/30(日) 02:39:23.48 ID:1o/NXgko
小一時間ほど歩いただろうか。
寝静まった木々が次第にまばらになっていき、ある地点で唐突に視界がひらけた。
(……あった)
8:1[sage]
2010/05/30(日) 02:42:09.90 ID:1o/NXgko
背筋に一気に緊張が走る。
ダルクは臨戦態勢を整え、黒い影の動向を見守った。
ときどきチャポンチャポンと水音を立てていることから、なにか水作業の真っ最中らしい。
(夜行性のモンスターか……?)
9:1[sage]
2010/05/30(日) 02:43:43.92 ID:1o/NXgko
自分と同じくらいの年と思しき女の子が、泉で水浴びをしていた。
ハダカだ。直立した恰好で、一糸まとわぬ白肌を惜しげもなく晒している。
体型は絶妙な均整美を誇っており、髪の天辺から水に沈んでいるフトモモに至るまで、まるで動く芸術。
その細い指で水面を撫ぜ、そのまま掬った水を自分の身体に染み込ませるように塗る。
動作の一つ一つがとてつもなく優美で、現実から隔てた幻想情景が頭の中を馳せていく。
10:1[sage]
2010/05/30(日) 02:50:48.93 ID:1o/NXgko
(いくぞ)
使い魔に囁き、ダルクは音を立てないよう注意深く身を引いた。
引いたには引いたが、やはりすんなりとは立ち去れない。
11:1[sage]
2010/05/30(日) 02:54:29.31 ID:1o/NXgko
書き溜め終わり
以後1、2レスペースのまったり更新をご了承下さい
とりあえず全員登場させるまでは書き上げるつもりです
ではまた
12:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga sage]
2010/05/30(日) 02:57:38.54 ID:C.5zaQk0
乙、今出たのはエリアかな?
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