44:1[sage]
2010/06/10(木) 00:11:21.27 ID:WgrV/bQo
(……よく寝てる)
今しがたすぐそばで一騒動あったというのに、エリアは全く反応する素振りもなく、すやすや寝入っている。
服装は最後に見たときと同じ、きみどり色の縦線セーターに紺色のミニスカート。基本的にこれが室内着らしい。
45:1[sage]
2010/06/10(木) 00:12:25.15 ID:WgrV/bQo
帰る前にきちんとお礼を言いたかったけど、眠っているところを邪魔してはまずいな。
一筆書き置きしておこう。
「ちょ、ちょっと紙とペン借りるな」
46:1[sage]
2010/06/10(木) 00:13:51.39 ID:WgrV/bQo
ダルクは葛藤する。
女の子に直に触れるというのは猛烈に抵抗がある。
ギコ君から毛布を剥ぎとって、それを掛けるだけにしておこうか。
47:1[sage]
2010/06/10(木) 00:15:30.16 ID:WgrV/bQo
(そういえばディーは? 我が愛しの使い魔はどこに行った? 外で待ってたりするのか?)
別の思考回路をフル稼働させ、エリアを肩口に担ぐ。
想像以上に軽い。
布を通した肉感の柔らかさ。
48:1[sage]
2010/06/10(木) 00:17:16.84 ID:WgrV/bQo
「ダルク……君……?」
ダルクは凍りつく。
抱えていた残りを思わず手放す。
49:1[sage]
2010/06/10(木) 00:19:19.71 ID:WgrV/bQo
「ご、ごめん、もうその、帰る! い、色々ありがとう!!」
自分のコートと杖を引っつかみ、一直線に部屋の戸口まで駆け出す。
エリアの呼び止めるような声が聞こえた気がしたが、振り返る勇気なんて微塵もなかった。
ダルクは鬼気迫るがごとく玄関らしきドアを探し当て、そこからためらいなく夕闇の中へと飛び出した。
50:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]
2010/06/10(木) 22:33:31.86 ID:3KXXIQE0
乙 相変わらず面白い。もう他のキャラが出るかな? ワクワクしながら待ってるぜい。
51:1[sage]
2010/06/11(金) 13:51:04.67 ID:mxlagMco
>>50
本当に面白いと感じてくれたならこの上ないです
わざわざレスしてくださってありがとうございます
52:1
2010/06/11(金) 16:31:05.97 ID:mxlagMco
宵の口に入った。
絵の具が少しずつ濃くなるかのように、周囲は次第に闇色へと染められていく。
すなわちダルクの活動時間の到来だった。
というのにダルクは肩を落としたまま、なんとも重たげな足取りで林道を踏み進んでいた。
53:1[sage]
2010/06/11(金) 16:32:40.23 ID:mxlagMco
――
開けた泉から原生林の深部にあるダルクの家までは、そこそこ距離がある。
その間、ダルクは無意識ながら夜の森林浴を体感していた。
54:1[sage]
2010/06/11(金) 16:38:06.27 ID:mxlagMco
「誰だっ」
叫ぶというより、強く囁くといった感じで呼びかけた。
じわじわとパニックになりそうな自分を抑えつけるように。
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