過去ログ - 佐天「嫁にして下さい!」 一方通行「ゴメン、ちょっと待って」
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131:貧乏螺子 ◆d85emWeMgI[sage]
2010/12/14(火) 23:19:31.00 ID:BQbw8is0

今日は何の仕事もなく一日をソファに寝転がって過ごしていた一方通行は長針が刻む音を聞きながら目を通していた雑誌から視線を上げる。

そろそろだろうか。あのお節介というべきか、物好きなガキが来るのは。
と、この二週間ですっかりと覚えてしまっていることに気付く。舌打ちをしながら、雑誌をソファに放り投げる。
以下略



132:貧乏螺子 ◆d85emWeMgI[sage]
2010/12/14(火) 23:21:42.63 ID:BQbw8is0

一方通行は空になったマグカップを手に取りキッチンに行く。
洗い場に置かれた青いマグカップ、一体いつから置かれていたのか、いつの間に置いていったのか。

手に取り、そこに何かが書かれているかを読み取ろうとするように紅の瞳がじっと眺める。
以下略



133:貧乏螺子 ◆d85emWeMgI[sage]
2010/12/14(火) 23:23:09.23 ID:BQbw8is0

ゆっくりと半分がミルクで満たされたカップに珈琲を注いでいると足音が聞こえた。
一方通行の視線はカップに向けられたまま、猫が物音に反応して耳だけを動かすように、ぴくりと片眉が動く。

鍵穴にキーを差し込む音がする。そこから暫しの沈黙。
以下略



134:貧乏螺子 ◆d85emWeMgI[sage]
2010/12/14(火) 23:25:24.50 ID:BQbw8is0

「あ、何飲んでるんですか?」

あれ?と佐天は青いカップが一方通行の前に置かれていることに気付く。
いつもなら確か白いカップを使っていたはずだがと不思議そうにコートを脱ぎハンガーに掛けていると、フンと不機嫌そうに一方通行がそっぽを向く。
以下略



135:貧乏螺子 ◆d85emWeMgI[sage]
2010/12/14(火) 23:28:37.48 ID:BQbw8is0


わかっていたはずだ。

とっくにわかっていて、そして諦めたはずだった。
以下略



136:貧乏螺子 ◆d85emWeMgI[sage]
2010/12/14(火) 23:30:11.45 ID:BQbw8is0


「でもさぁ、最近先生お決まりの台詞言わなくなったよね」
「ああ、そうだよね」
「お決まりの台詞?」
以下略



137:貧乏螺子 ◆d85emWeMgI[sage]
2010/12/14(火) 23:30:51.89 ID:BQbw8is0


それじゃあ、一体自分は何をやってきたというのだ。
何のために“あんなもの”にまで手を出して、皆に迷惑を掛けてしまったというのだろうか。
最初から知っていれば。いや、そもそも、それでは何の為に此処にいるのだ。
以下略



138:貧乏螺子 ◆d85emWeMgI[sage]
2010/12/14(火) 23:34:04.55 ID:BQbw8is0

すっかり街は夜の空気を漂わせ、街灯やコンビニの灯りが街の輪郭を浮かび上がらせている。


「すいません。わざわざ送ってもらっちゃって」
以下略



139:貧乏螺子 ◆d85emWeMgI[sage]
2010/12/14(火) 23:37:28.16 ID:BQbw8is0

「御坂さんは能力なんて関係ないって言ってました。友達もみんなそう言ってます」

御坂美琴ならそう言うだろう。そういう少女だ。
以下略



140:貧乏螺子 ◆d85emWeMgI[sage]
2010/12/14(火) 23:39:02.39 ID:BQbw8is0


「俺に話してどォすんだ。どォして欲しいンだ?」

「………」
以下略



141:貧乏螺子 ◆d85emWeMgI[sage]
2010/12/14(火) 23:42:53.78 ID:BQbw8is0

「レベルなんて関係ない……よく言うよ。そんなもの、自分には有るから言える言葉なのに。
特別だから、特別なんてどうでもいいなんて言えちゃうんだ。
そんなの…そんな言葉言われても…喜べないよ……全然、全然嬉しくなんて……ない…」
以下略



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