過去ログ - 火憐「兄ちゃん、あんま無茶ばっかすんなよな」
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1: ◆/op1LdelRE
2011/03/20(日) 00:06:32.84 ID:2i3mHfds0
お久しぶりです。
タイトルからわかる通り、化物語のお話になります。
というか、前作からの続きということになりますね。

<前作>

暦「今更するような話でもないけれど」
ex14.vip2ch.com


四苦八苦しながらも、何とか完成する目処が付いたので、ぼちぼち書いていきたいと思います。
多分前作の倍以上の長さになると思うので、ちょっと時間はかかるかもしれませんが。
ある程度まとまったら投稿する、という形でやっていこうと考えてます。
よろしければお付き合い下さい。



2: ◆/op1LdelRE
2011/03/20(日) 00:07:48.22 ID:2i3mHfds0
『こよみデッド』



 001.
以下略



3: ◆/op1LdelRE
2011/03/20(日) 00:09:54.57 ID:2i3mHfds0
 けれどやはり、この行為それ自体には、意味など見出せず、価値などありはせず、また慈悲もない。
未来を見据えておきながら、心を過去に置いたままにするような、それは無意味な行為であり。
これから成すべき事を知りながら、これまで成せなかった事をずっと悔み続けるような、それは無価値な行為であり。
賽の河原で、石を積んでは崩し、崩しては積んでを延々と繰り返すような、それは無慈悲な行為であり。
僕が人として生きていく、その哲学的観点からすれば、はっきりと不要で無用な行いだ。
以下略



4: ◆/op1LdelRE
2011/03/20(日) 00:11:15.40 ID:2i3mHfds0
 それでも。
後悔に苛まれるような、そんな出来事を、ここで敢えて公開することが、僕にはどうしたって必要なのだと思う。
これからもずっと、僕らしく歩いていく為にはきっと。

 あの、おぞましくも儚く、恐ろしくも悲しく、忌まわしくも苦しい。
以下略



5: ◆/op1LdelRE
2011/03/20(日) 00:13:29.40 ID:2i3mHfds0
 002.

 いい加減しつこい気がするというか、マンネリと早速言われてしまいそうな気がするというか、むしろ僕が言いたいというか。
目が覚めたら、そこは知らない場所だった。
僕の部屋ではなく、されど妹達の部屋でもなく。
以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/20(日) 00:13:57.45 ID:y8AOiMWIO
かわいいよね〜


7: ◆/op1LdelRE
2011/03/20(日) 00:16:12.42 ID:2i3mHfds0
「ようやっと目を覚ましおったか、お前様よ」

 決意も新たに、まずは情報収集を、と周囲に意識を向けたところで。
その僕の動きに反応するかのようなタイミングで、頭の上から聞き慣れた声が届く。
どうやら、忍が外に出ているらしい。
以下略



8: ◆/op1LdelRE
2011/03/20(日) 00:17:26.31 ID:2i3mHfds0
「十分優しくしておるわ。でなければ踏んでおる」

 幼女の小さな足でされるのであれば、それはある種ご褒美だ、とか言ってこれ以上ぼけるのは、もう止めておこう。
蹴られた衝撃で、ということでもないが、ようやく少し体も動くようになり、忍の姿が目に入ってくる。
いつも通りの不遜な立ち姿。
以下略



9: ◆/op1LdelRE
2011/03/20(日) 00:23:38.00 ID:2i3mHfds0
「なあ、忍、ここ何処だ?」
「儂にも分からぬ。大分前に目は覚めておったが、何しろお前様が昏倒しておったのでな。調べようもなかった」

 そう言って、肩を竦める忍。
今のこいつは、僕とペアリングされている関係上、行動の自由がほとんどない。
以下略



10: ◆/op1LdelRE
2011/03/20(日) 00:26:01.06 ID:2i3mHfds0
「お前様よ、儂に謝るなら今のうちじゃぞ」
「何言ってやがる、いきなり」
「いや、だってこれ、どう考えてもお前様のせいじゃろ」
「何でだよ! つーか、お前それ、考える前に結論出してるだろ」

以下略



11: ◆/op1LdelRE
2011/03/20(日) 00:29:49.58 ID:2i3mHfds0
 というか、こんな下らない言い争いをしている場合ではないのだ。
この際、どっちが悪いとかどっちのせいだとか、そういう不毛な争いは脇に置いておこうじゃないか。

「もう誤魔化されんぞ。色々あって忘れておったが」
「ああ、そうだな」
以下略



12: ◆/op1LdelRE
2011/03/20(日) 00:32:10.73 ID:2i3mHfds0
「そうではない。お前様が被害者だと言い張るならば、尚更問題にせねばならん」
「何でそうなるんだよ」
「犯人が何者であれ、簡単に昏倒などさせられるでないと言うとるんじゃ。みっともない」
「そこまで言わなくていいだろ」
「そこまでもここまでもない。前々から言おうと思うておったが、全くもって警戒心が無さ過ぎるぞ、お前様は」
以下略



13: ◆/op1LdelRE
2011/03/20(日) 00:34:41.41 ID:2i3mHfds0
「忘れるでないぞ。吸血鬼の不死性とて完全ではないんじゃ。最近のお前様は、そこに頼り過ぎておる嫌いがあるが――しかし、死ぬ時は死ぬ。よう肝に銘じておれ」
「ああ、わかったよ」

 死ぬ時は共に。
どうあれ、そう誓ったのだから。
以下略



14: ◆/op1LdelRE
2011/03/20(日) 00:36:39.60 ID:2i3mHfds0
 003.

「寝るぞ、兄ちゃん!」
「お兄ちゃん、寝るよ!」
「勝手に寝てろよ」
以下略



15: ◆/op1LdelRE
2011/03/20(日) 00:38:51.59 ID:2i3mHfds0
 そんなわけで、いつものように僕の部屋の扉を、実はぶち壊したいんじゃないのかと疑う程の勢いで蹴り開けて入ってきた火憐と月火に、だからぞんざいな扱いをしたところで、僕が責められる謂われはないはずだ。
そもそも寝る宣言なんぞ一々してくんな、鬱陶しい。
勝手に寝て、勝手に起きろという話である。
何だったら、寝てそのまま起きないでいてくれてもいい、いっそのこと春先くらいまで。

以下略



16: ◆/op1LdelRE
2011/03/20(日) 00:41:27.23 ID:2i3mHfds0
「つーか、何度も言ってるけど、いい加減、僕の部屋の扉を蹴り開けるのは止めろ」

 毎日のように訪れる理不尽な妹達の暴虐に、文句一つ言わず耐え忍んできてくれている僕の部屋の扉には、本当に頭が下がる思いだが、物事には限度がある。
もちろん、この扉がいきなりキレて喋り始めるというような、ギャグ漫画的展開になったというわけではないから、その点は安心して欲しい。
そうではなくて、本当に単純な話、扉の耐久度が物理的な限界にきているということなのだ。
以下略



17: ◆/op1LdelRE
2011/03/20(日) 00:42:38.78 ID:2i3mHfds0
「もう、うっさいなー! 文句ばっかり!」
「言いたくもなるよ! つーか言わせろよ!」

 何でそこでキレられるんだ、こいつは。
大体からして、寝たいんなら勝手に寝ろという話である。
以下略



18: ◆/op1LdelRE
2011/03/20(日) 00:49:23.06 ID:2i3mHfds0
「いいからほら、こっちこっち」

 ベッドに腰掛けて、おいでおいでしてる月火。
何だ、その手のかかる子供に対するような態度は。
火憐に至っては、既にベッドの上でごろごろと寝転がっていた。
以下略



19: ◆/op1LdelRE
2011/03/20(日) 00:50:47.78 ID:2i3mHfds0
「とにかく、お前達にはお前達のベッドがちゃんとあるんだから、そっちで二人で寝てろって」
「えー」
「えーじゃない」

 何でわざわざこんなことを二人に言わないといけないのか。
以下略



20: ◆/op1LdelRE
2011/03/20(日) 00:54:10.26 ID:2i3mHfds0
「何言ってんだよ。聞く気あるから来てるんじゃねーか」
「そうだよ、お兄ちゃん、いっつも勉強ばっかなんだから、寝る前くらいしかお話なんてできないじゃない」

 揃って頬を膨らませる火憐と月火。お前らリスか。
とはいえまあ、そういう風に言われてしまうと、これ以上文句をつけるのも憚られるのだけれど。
以下略



21: ◆/op1LdelRE
2011/03/20(日) 00:55:40.94 ID:2i3mHfds0
 004.

 とまあ、ここまで散々ぐちぐちと文句を言ってはきたけれど。
火憐と月火が、こうして僕に我儘を言うようになってきたこと、それ自体は良いことだと思っている。

以下略



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