過去ログ - 男「また、あした」
1- 20
20:>>1[saga]
2011/03/28(月) 22:35:14.98 ID:gJVBoKdj0
ではあと少しだけ投下して今日はやめておきます。


21:>>1[saga]
2011/03/28(月) 22:37:22.06 ID:gJVBoKdj0
そんなこんなで発足してから、一週間が経過した。夏原と春野さんは宛がわれた部室に顔を出すことはあまり無い。
春野さんが冬森さんと一緒に帰るために帰り際に顔を出すのはノーカウントだろう。
もともと二人はわりと忙しい人であるし、絵本を製作することに関しては積極的ではなかった。
あくまでも僕達の活動を応援するというのが二人の名目であり、それには部活として成立するための頭数に自らをカウントするというのも入っているのであろう。
そんなわけで、僕は冬森さんと今日も二人きりだ。冬森さんはよほど集中しているのか真剣な眼差しで原稿用紙にペンを走らせている。
以下略



22:>>1[saga]
2011/03/28(月) 22:39:17.59 ID:gJVBoKdj0
「どう……です、か?」

おずおずと冬森さんが言うのも恥ずかしそうに僕に出来を尋ねてきた。未だに、異性にどう接したものかわからない。
ただ、冬森さん相手だと、お互いにお互いが苦手だとわかっているので、その分話しやすいし、打ち解けやすい。
今まで僕は苦手な女の子に例外をもたなかったが、冬森さんは近々その例外に当てはまりそうだ。
以下略



23:>>1[saga]
2011/03/28(月) 22:40:43.69 ID:gJVBoKdj0
「目標は文化祭だね」
「いいものができたらいいです、よね」
「やる以上はそれを目指していこう」

 僕は早速画材一式を取り出してイラストを起こしにかかった。今日のところはひとまず下描きになる。
以下略



24:>>1[saga]
2011/03/28(月) 22:42:11.53 ID:gJVBoKdj0
「二人ともやっているわね」
 と、そこに春野さんがやってきた。ハーフだという彼女はその翠色の瞳と輝くような金の髪が印象的だ。
エネルギッシュで活動的な人で、先生やクラスメイトからの信頼も厚い。アネゴ体質というのがあるが、それを地でいっているのだ。
ただ、僕は彼女が苦手である。得てしてこの世は声の大きい人が強い世界なので僕が彼女のご機嫌を損ねたら社会的に抹殺されることうけあいだからだ。
ニートにはなりたくない。いや、生き残れない。生き残りたいのに。崖っぷちでいいから。
以下略



25:>>1[saga]
2011/03/28(月) 22:49:40.66 ID:gJVBoKdj0
では今日のところはこの辺りで。


26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/28(月) 22:51:04.39 ID:3vXaF6R1o
乙!
いろいろ出しゃばっちゃってごめん。最終的には>>1のやりたいようにやってください


27:>>1[saga]
2011/03/29(火) 20:03:54.78 ID:NprJWFFv0
んでは今日の分投下します。


28:>>1[saga]
2011/03/29(火) 20:07:05.55 ID:NprJWFFv0
そんなこんなで、数時間が経過した。
日が長くなってきたとはいえ、いい加減暗くなってきた。まだ学校に残る生徒たちは運動部だけだろう。
もっとも、厳しいことで知られる陸上部はまだまだこれからが本番である。彼らの熱血に敬意を払いつつ、僕らは帰ることにした。
春野さんは僕らが帰るより結構前に帰っている。
彼女は一般の家より門限が厳しいだとかで、冬森さんを家に送っていきたいのはヤマヤマだがヒステリックな母親の声は聞きたくないということらしい。
以下略



29:>>1[saga]
2011/03/29(火) 20:08:41.02 ID:NprJWFFv0
「とりあえず、帰ろうか」
「あ、その。一緒に、というより、送ってくれるとか……」
「春野さんの言うことには従わなきゃね。彼女には恩もある」
「その、嫌ならいいんですよ?」
「そういうわけにもいかないよ。モラル的にも考えて」
以下略



30:>>1[saga]
2011/03/29(火) 20:11:43.20 ID:NprJWFFv0
そしてそれは冬森さんも同様らしく、花が咲いたような笑顔を浮かべてケーキが陳列されているケースに近づいていく。
目当てのものはチョコケーキだが、その前に目移りするのが彼女の決まりらしい。
僕は、一度決めたらそれにするのがそうなのだが。まぁ、そこは些細な違いだろう。
共通項だらけの僕らにとって、違うところは少しでも多いほうがいい。
あんまりに似通っている者同士の距離が近ければ、当然のように誤解がそこに発生することになるからだ。
以下略



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