31:87[saga]
2011/05/22(日) 06:59:58.98 ID:rZ9489cc0
「あ……う゛……」
突然、頭が割れそうになるほどの頭痛が始まった。
記憶を思い出そうとしたときにおきた頭痛よりも、ひどい痛みが。
なんで、こんな、時にッ。
32:87[saga]
2011/05/22(日) 07:01:25.68 ID:rZ9489cc0
【初春飾利】
連絡をして私は垣根帝督の様子を見て、救急車を待っていた。
救急車は10分もせずに到着したが、この人の息は荒く、意識を戻しはしなかった。
あの人が救急車へ運ばれているのを見ていると、警備員までやってきて事態を調べ始めた。
33:87[saga]
2011/05/22(日) 07:03:09.28 ID:rZ9489cc0
でも、それはまた起きた。
「初春、学校が終わったら第七学区の一番大きな病院へ行ってくれないか?」
「え?」
34:87[saga]
2011/05/22(日) 07:04:27.76 ID:rZ9489cc0
学校が終わって、佐天さんと一緒に帰る約束も断って。
私は一人、第七学区で一番大きな病院へと向っていた。
少し緊張や、躊躇いもあったけれど、なんとか無事にこれた。
「待っていたよ? コーヒー飲むかい?」
35:87[saga]
2011/05/22(日) 07:05:43.07 ID:rZ9489cc0
「彼の知り合いだったりするのかい?」
「そ、そんなわけでは……!」
殺されそうになりました、なんて言えるわけないです。
36:87[saga]
2011/05/22(日) 07:06:56.32 ID:rZ9489cc0
カエル顔のお医者さんに言われたとおりの病室へ向うと、入り口にあるプレートに垣根帝督と書かれていた。
一人分しかないから、きっと個室なんだろう。
……でももし起きていたら、どうしよう。
少しドアを開けるのを躊躇ったけれど、勇気を振り絞り、そっとロックする。
コンコンッ。
37:87[saga]
2011/05/22(日) 07:09:15.61 ID:rZ9489cc0
【垣根帝督】
意識がだんだん戻ってくると、俺は歩道で横になっていた。
たしかさっきまで、怪しい奴らから追いかけられていたはずなのに。
もう追いかけてこなくなって、ふと気を失っていたのか?
38:87[saga]
2011/05/22(日) 07:10:21.89 ID:rZ9489cc0
「どこまで……行けば……」
頭も重くなって、また意識が薄れ始めてきた。
きつい。苦しい。
目蓋がだんだんと重くなって、ゆっくりと閉じ始めたとき、一つの人影が見えた。
39:87[saga]
2011/05/22(日) 07:14:57.49 ID:rZ9489cc0
ゆっくりと、目を覚ます。
……俺はどうなったんだ?
とても恐ろしい夢を見ていた、そんな感じだ。
ぼやけていた視界には一面の真っ白な天井があったが、その手前には少女の顔があった。
40:87[saga]
2011/05/22(日) 07:18:44.10 ID:rZ9489cc0
少しもじもじとしていたが、可愛い女の子だった。
最初、記憶を失う前に知り合いだったらと思ったけれど。
まだ俺の前には記憶を失う前に知り合いだったヤツが現れない。
……まさか、友達いなかったのか。昔の俺。
第二位だったからか? それとも、そこまで酷い性格だったのか……。
41:87[saga]
2011/05/22(日) 07:21:43.04 ID:rZ9489cc0
【初春飾利】
垣根さんと話していくうちに、いつの間にか面会時間の5分前にまでなっていた。
それほどまでに、垣根さんと話しているのが楽しかった。
最初は怖くてあまり喋らなかったけれど、いつのまにかこっちがたくさん話をしていた。
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