過去ログ - まどか「無限の中のひとつの奇跡」
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61: ◆oQV5.lSW.w[sage saga]
2011/10/13(木) 02:28:24.93 ID:oIK4Qu7A0
――何もかも、つまらない――
――現実も、学校も、電脳世界も、仮想空間も――
存在する全てが色褪せて見える。くすんだ灰色の世界。そう、目の前の光景のように。
62: ◆oQV5.lSW.w[sage saga]
2011/10/13(木) 02:29:16.92 ID:oIK4Qu7A0
白く細いビームのようなものが、頬を掠める。
微かに残っていた生存本能が、一度だけ身体を動かし、この身を守った。
しかし、二度目は無い。もう腰が立たない。
63: ◆oQV5.lSW.w[sage saga]
2011/10/13(木) 02:30:33.25 ID:oIK4Qu7A0
「じゃ、まずはまとめて逮捕しちゃいましょう☆」
金髪の子が十数丁の銃を召喚して地面に突き立て
巨人の光線を踊るように回避しつつ、1発撃っては、銃を使い捨てていく。
その動作はとても華麗で、しかもかなりの速射ではあるけれど
64: ◆oQV5.lSW.w[sage saga]
2011/10/13(木) 02:31:24.34 ID:oIK4Qu7A0
「ちょっと、顔を見せて貰えるかしら」
気付くと、何時の間にか金髪の子が、私のすぐ傍に立っていた。
「うん、このくらいの傷なら大丈夫――ほら、もう痕は残ってないわ」
65:視点:志筑仁美 ◆oQV5.lSW.w[sage saga]
2011/10/13(木) 02:34:05.28 ID:oIK4Qu7A0
「読書ですか」
屋上で彼女を捕捉する。今日始めて巡ってきた、二人だけで話せる機会。
「あら、志筑さん」
66: ◆oQV5.lSW.w[sage saga]
2011/10/13(木) 02:35:23.53 ID:oIK4Qu7A0
「ところで、何の本をお読みになっていらっしゃったのですか?」
暁美さんの待ち人はまだ来ない。もう少しだけ会話を続けていこう。
空気が沈黙に支配される前に、新しい話題を作り出す。
67: ◆oQV5.lSW.w[sage saga]
2011/10/13(木) 02:36:45.44 ID:oIK4Qu7A0
「諦めていないのは、想い人、ですか」
この会話の流れなら、左程不自然なことはない。
さやかさんからの伝聞による後ろめたい秘密の知識を
私自身の推論で上書きして、その言葉を発する。
68:視点:美樹さやか ◆oQV5.lSW.w[sage saga]
2011/10/13(木) 02:38:30.34 ID:oIK4Qu7A0
「さて、それじゃ魔獣討伐見学コース第一弾、張り切っていってみましょうか」
空になった紙コップをトレイに置き、号令を掛けるマミさん。
「皆、準備はいいかしら?」
69:視点:美樹さやか ◆oQV5.lSW.w[sage saga]
2011/10/13(木) 02:39:29.99 ID:oIK4Qu7A0
「やあマミ、今日の魔獣発生予想が立ったよ。地図を広げて貰えるかな」
キュゥべえが隣のテーブルの下からひょっこり顔を出し、マミさんの膝に飛び乗る。
「まずはここの廃ビル群の近辺。先程から瘴気の澱みが集中しつつある。
70:また戻し忘れた ◆oQV5.lSW.w[sage saga]
2011/10/13(木) 02:41:45.23 ID:oIK4Qu7A0
そろそろ目的地。急激な発展の裏で打ち捨てられ、廃墟となってしまった地区。
幸いなことに、今はあたし達以外、人気は無いけど
普段なら絶対近寄りたくない場所だ。
「大分瘴気が濃くなってきたわ――近いわね」
71: ◆oQV5.lSW.w[sage saga]
2011/10/13(木) 02:43:05.08 ID:oIK4Qu7A0
「マミさん!血が、血が止まらない!!」
胸は微かに上下に揺れている。まだ息はあるみたいだけど――
「少しだけ待って!何とか止血だけして!!」
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