過去ログ - 撫子「これも、また、戯言なんだよね」
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2011/10/17(月) 02:31:51.16 ID:ebFiQ8E3o
「さてと――着いたよ」
一番前を歩いていた僕が、当然、一番乗りだった。
神社跡。
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2011/10/17(月) 02:32:46.09 ID:ebFiQ8E3o
その土に、その辺りの木の棒を使って線を引き、懐中電灯同士を繋いで、本当にスクエ
アを形成する――いわゆる結界という奴だ。相当に簡易式だけれど、それで構わないと、
忍野も言っていたので、大丈夫だろう。結界はとりあえずは区切られていることだけが重
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2011/10/17(月) 02:33:26.12 ID:ebFiQ8E3o
まあ、この意匠には、意味があるんだけれど。
蛇祓いの経過を見るために、長袖長ズボンのままではまずいということで、術式の最中
には肌の鱗跡が見えるようにしておくこと、との忍野のお達しだったのだが、さすがに屋
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2011/10/17(月) 02:34:13.58 ID:ebFiQ8E3o
神社で着替えたわけではなく、小学生みたいに、家から、長袖長ズボンの下に着てきた
のだった。スクール水着では、足の鱗痕は見えても、体感部分はほとんど隠れてしまうか
ら、被害の具合は分かり辛いが、ただ――気の持ちようなのか、鱗の痕が、首の辺りにま
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2011/10/17(月) 02:34:52.54 ID:ebFiQ8E3o
「わかった……頑張る」
「うん」
「いー兄ちゃん……ちゃんと見ててね」
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2011/10/17(月) 02:36:01.19 ID:ebFiQ8E3o
両手をぎゅっと――胸の前で握り締めている。
儀式は、既に、始まっていた。
撫子ちゃんに見ているように言われたのに、何をやっているんだろう、僕は。今までの
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2011/10/17(月) 02:38:29.43 ID:ebFiQ8E3o
「滞りなく――進みそうだな」
「ああ、だがしかし、まだまだ油断はできない」
「だからと言って、そんなに血走った目で見なくてもいいんじゃないか?阿良々木先輩」
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2011/10/17(月) 02:44:10.06 ID:ebFiQ8E3o
「くっ……」
撫子ちゃんの身体から――鱗の痕は消えている。
・ ・ ・ ・ ・
半分くらい、消えている。
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2011/10/17(月) 02:44:36.53 ID:ebFiQ8E3o
それぞれの脚の爪先から。一匹ずつ――蛇切縄は巻き憑いていたのだ。
撫子ちゃんの身体を締め上げるように。
二匹。
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2011/10/17(月) 02:45:52.41 ID:ebFiQ8E3o
いまや痕というのもおこがましいほど、食い込んでいる。骨を砕き――そのまま細い肉
体を千切られてしまいそうなほど、食い込んでいる。
ぶつ切りにされてしまいそうなほどに――食い込んでいる。
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