過去ログ - 女騎士「姫の自慰を目撃してしまった」
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11:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 20:12:24.89 ID:aYv84ioOo
だからこそ、あの夜、姫が自室で自慰に耽っていたという事実は、
主観時間を完全に凍結させるほどの衝撃を私に与えた。

そこに、姫に恥辱を与えたという激痛を伴う自責の念も加わったことで、翌朝になって、
ようやく再び心が時を刻み始めても、動揺した心は収まる気配さえ見せることはなかった。
以下略



12:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 20:14:21.09 ID:aYv84ioOo
私が混乱していた真の理由は、私が心に抱いていた姫の幻影と、
あの晩に目撃した姫の有様(ありよう)が、あまりにもかけ離れていたことにあった。
仮に、姫の本質が淫乱だと私が考えていたのであれば、私の気は、ああまで動転しなかっただろう。
黙って姫を辱めた処罰を受けるのを待っていた筈だ。

以下略



13:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 20:16:32.19 ID:aYv84ioOo
彼女の内の誰かが、あの姫の両手の動き――あのあり得ない所作――について手がかりをくれる筈だ。

私はこの調査が徒労に終わらないことを最後まで願っていたが、
その望みは最後まで実ることなく、あっけなく荼毘に伏した。

以下略



14:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 20:23:41.02 ID:aYv84ioOo
3.

「私がどうして貴女をここに呼んだか、分かりますね」
姫は何かためらっているような様子で、そう言った。

以下略



15:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 20:24:52.42 ID:aYv84ioOo
すぐに、姫は穏やかに私を見つめ、静かに言葉を紡いだ。
「貴女らしいですね。いつも私のことを第一に考えてくれる」

しかし、姫が紡いだ糸は、私の頭の中でもつれ、絡まって団子になり、思考の行方を奪った。
「それが私の務めです」
以下略



16:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 20:26:15.05 ID:aYv84ioOo
私は驚きのあまり、声が震えるのを必死に抑えながら応えた。
「姫様、僭越ながら」

「何でしょうか」

以下略



17:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 20:27:17.21 ID:aYv84ioOo
「それでは申し上げます」
私は、絞り出すように言った。姫の前で嘘は言えない。

「姫様は、昨晩、この部屋で……、自らを慰めてらっしゃいました」
口に出した途端、己に対する強い嫌悪の念を覚えた。
以下略



18:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 20:28:25.98 ID:aYv84ioOo
澱みなく言い切ったつもりだったが、姫は静かに微笑を湛えているだけだった。

「自慰に耽溺する女は罪人と呼ばれ、蔑まれて然るべきではありませんか」
柔らかな声で、姫は淡々と自らを卑下した。

以下略



19:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 20:30:45.62 ID:aYv84ioOo
私は気後れしながらも、姫の命を遂げようと、
「失礼します」と断りを入れてから姫の隣に腰を下ろした。

刹那、私は甘い鈴蘭の香りを聞き、同時に、何か柔らかいものが、私の身体に当たるのを感じた。

以下略



20:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 20:32:22.88 ID:aYv84ioOo
「女騎士に軽蔑されたと思い、一日中気が気でなかったのです」
しゃくり上げながら姫は言った。

「如何なる不条理をなされたとしても、私が姫様への忠誠心を失うことはあり得ません」
不思議にも、私の声色は自然と、なだめるような響きを帯びていた。
以下略



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