24: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/10/26(水) 21:11:26.64 ID:sFmcGxH8o
ベッドの脚に手錠で繋がれている右手を見て思わず苦笑した。
あやせのヤツ、空港の厳しい手荷物検査をどうやって通り抜けたんだか。
本人に訊くのが一番なんだろうが、それは怖い……。
25: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/10/26(水) 21:11:59.22 ID:sFmcGxH8o
「絶対に何もしないと、約束していただけますか?」
「この体勢でどうやってシャワーを浴びろってんだよ。
それとも何か、あやせがバケツにお湯でも汲んできてくれるってのか?」
26: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/10/26(水) 21:12:37.23 ID:sFmcGxH8o
「俺がシャワーを浴びてる間にちゃんと浴衣に着替えておけよ。
いつまでもそんな格好してっと、いくら俺だって本当に襲っちまうかもしんねぇからな」
「お兄さんはそんなことをする人じゃないって知っていますから」
27: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/10/26(水) 21:13:17.15 ID:sFmcGxH8o
翌朝、俺はあやせよりも先に目が覚めた。
あやせに強制的に眠らされたお蔭か、不思議な爽快感が俺の全身を覆っていた。
身体の上に布団が掛けられているってことは、あやせが掛けてくれたんだろう。
隣のベッドを見ると、あやせが安らかな顔ですやすやと眠っている。
28: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/10/26(水) 21:14:03.46 ID:sFmcGxH8o
ベッドから起き上がると、あやせがふっと俺から眼を逸らした。
「……ん? どうした、俺の顔に何かついてんのか?」
29: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/10/26(水) 21:14:58.23 ID:sFmcGxH8o
朝食を済ませた後、カードキーをフロントに預けて大通公園に沿って歩き始めた。
あやせが人目を気にしながらも、遠慮がちに俺の腕にそっと手を添えた。
「寒くねぇか?」
30: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/10/26(水) 21:15:38.26 ID:sFmcGxH8o
ホテルは連泊で予約してあるからこのまま戻っても特に問題はなかった。
だけどあやせもいることだし、せっかくだから大通公園で時間を潰すことにしたんだ。
公園では大道芸を披露している人たちや、民族楽器を奏でるグループがいた。
あやせは興味津々で駆け寄り、そのひとつの観客の輪に加わった。
31: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/10/26(水) 21:16:34.18 ID:sFmcGxH8o
店は駅から少し離れたところにあったが、人気店らしく結構な客で込んでいた。
札幌にいる間は、休みのたびに一つひとつ食べ歩いてみるのもいい。
ガイドブックもいいけど、やっぱ自分の舌でお気に入りの店を見つけたいもんだ。
そうすりゃ今度あやせが遊びに来たとき……って、もう来ねぇかもしれんけど。
32: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/10/26(水) 21:17:32.30 ID:sFmcGxH8o
あやせとの攻防戦の結果、チャーシューを一枚だけ取り返すことに成功した。
こんなことなら、初めっからドンブリごと交換した方がマシだったじゃねぇか。
俺はチャーシューを麺の下に隠しながら何気にあやせに訊いた。
33: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/10/26(水) 21:18:55.54 ID:sFmcGxH8o
翌日、朝食を済ませると二人揃ってホテルをチェックアウトした。
「じゃあ俺は社宅へ行くけど、何かあったらすぐに連絡しろよ」
34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/10/26(水) 21:21:44.37 ID:sFmcGxH8o
拙者、あやせたんペロペロではありますが、実は黒猫派でござる。
と言いながら、いつも黒猫が出てこない不思議。
札幌が舞台ですが、街の描写が不鮮明かつ適当なところはお赦しください。
次回からは、京介の会社とその周辺に舞台の中心が移ります。
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