過去ログ - 女教師「折角のクリスマス・イヴだし、付き合ってあげる」
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42:nu[saga]
2011/11/15(火) 19:40:51.54 ID:+iWTcaxJ0
先生が空を見上げる。
僕も先生の視線の方向に目を向ける。
夜空には多少の星が瞬いていた。
孤独な僕達が孤独なままにその星の仲間になるのも悪くないんじゃないか。
何となく、そう思えた。
以下略



43:nu[saga]
2011/11/15(火) 19:42:09.35 ID:+iWTcaxJ0

今夜はこれで終わりです。
不穏な空気になってきました。


44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋)[sage]
2011/11/16(水) 00:59:41.06 ID:kLebNK1oo



45:nu[saga]
2011/11/17(木) 19:03:27.94 ID:sq+AP/cA0
先生が僕の間近にまで近付いて足を止める。
手を伸ばせば届く距離で、先生が包丁を見つめながら笑う。

「死にたい……。
死にたくなるよねえ、特にクリスマス・イヴなんか特に……。
以下略



46:nu[saga]
2011/11/17(木) 19:03:57.59 ID:sq+AP/cA0
「そうですね、先生。
僕等は今日死んでもいいんじゃないでしょうか。
幸せである事を強要される日になんて、
生きていなくてもいいんじゃないでしょうか。
僕もね、思うんです。
以下略



47:nu[saga]
2011/11/17(木) 19:05:13.62 ID:sq+AP/cA0
だから、僕はまた笑った。
心の底から滲み出るような笑いを止める事が出来なかった。

「ねえ、先生?
死ぬのは魅力的ですよね。死は救いで、幸福でもありますよね。
以下略



48:nu[saga]
2011/11/17(木) 19:05:37.83 ID:sq+AP/cA0
「確かに言ったわね。
自分にその言葉が返って来るとは思わなかったけど、言ったわ、間違いなく。
女は約束をすぐ忘れる生き物で、凄く刹那的に生きてる。
感情で動く事もしょっちゅうだし、衝動的な自殺も多い。
心中に憧れる男は少ないけど、心中に憧れる女は大勢居るものね。
以下略



49:nu[saga]
2011/11/17(木) 19:06:35.61 ID:sq+AP/cA0
でも、思う。
先生と話して、先生の姿を見ていて、
自分の姿を見せられているようで、気付けた。
他人が幸福に見えても、その他人の幸福も多分長くは続かない。
クリスマスに感じられたはずの蜜月の時間はすぐに終わりを告げる。
以下略



50:nu[saga]
2011/11/17(木) 19:07:05.06 ID:sq+AP/cA0
それから先生は夜空を仰いだ。
僕も先生の視線を追う。
先生の視線の先に何があるのかは分からない。
先生も別に何かを見ているわけじゃないだろう。
でも、僕は先生の視線の先にある何かを見たかった。
以下略



51:nu[saga]
2011/11/17(木) 19:07:34.29 ID:sq+AP/cA0
僕はその場に座り込んで、また夜空を見上げた。
雲一つも無い夜空だった。
そう言えば、天気予報で今夜は雪が降るかも知れないと言っていたが、
この様子では今日どころか明日も降りそうになさそうだ。
気象庁に何件か苦情が来るかもしれない。
以下略



52:nu[saga]
2011/11/17(木) 19:08:01.71 ID:sq+AP/cA0
僕は何も言わなかった。
そうなのかもしれないし、そうではないのかもしれない。
先生にとっての答えがそれならば、僕に出来る事は特に無いと思う。
先生が僕に出来る事も多分無い。
そう。今日の僕等は鏡越しの自分に独り言を呟き合った様なものだ。
以下略



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