230:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga sage]
2012/01/24(火) 15:42:26.04 ID:+AAoU0zT0
それだけ言ってちなつちゃんは公園から姿を消して、私のそばにいてくれるあかりだけが残った。
まだ泣きやまない私を、あかりがなだめるように背中を優しく撫でてくれる。
こぼれおちる涙がしょっぱくて、でも手を動かせなくて私はしばらく泣いたままだった
あかり「京子ちゃん、ごめんね。あかり、京子ちゃんが泣く前にここに来られなかった」
231:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/01/24(火) 15:44:52.45 ID:+AAoU0zT0
今回はここまでで。
232:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga sage]
2012/01/26(木) 14:02:58.72 ID:8mwsMNZS0
―あかり―
京子ちゃんが走り去ってから、雪が降るまでの間をぼんやりと過ごしてた。
いつもみたいに困ったように笑おうとして、笑ってみたけど携帯のディスプレイに反射する顔は、なんだかぐんにゃりしてた。
約束守れなかったね。
233:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga sage]
2012/01/26(木) 14:15:47.72 ID:8mwsMNZS0
止めどなく溢れてくる。
溢れて溢れて止まらないのは、分かってるけど知らんぷりしてるからだって。
子供じゃないんだからって言われたら、そうだねって言うしかなくて、やっぱりあかりは馬鹿なんだなって思う。
あかり「馬鹿でもいい、卑怯だって言われてもいい、嫌いだって言われてもいい!」
234:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga sage]
2012/01/26(木) 14:25:36.78 ID:8mwsMNZS0
京子ちゃんが幸せそうに笑ったり、何か楽しそうなことしたり、何か間違えて悔しそうにしてるけど内心楽しそうにしてるとことか、そういう風に振舞う京子ちゃんの幸せの踏み台になれるだけでも、あかりは幸せなの。
だって、そう。
あかりはね。
あかり「京子ちゃんのこと、本当に好きだから」
235:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga sage]
2012/01/26(木) 14:37:48.76 ID:8mwsMNZS0
道具だから、京子ちゃんが幸せになれるように動けばいい道具だから。
だから、京子ちゃんが泣かないように尽くしたい。
京子ちゃんが楽しめるように尽くしたい。
あかりはそう思ってる。
236:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga sage]
2012/01/26(木) 14:42:48.77 ID:8mwsMNZS0
雪はまだ止まない。
涙の跡が冷たくなって、頬に刺激が加わり始めると、体全体がおもしろいくらいに震えてきた。
体が温かさを求めてる。
でも、それは心のほうなんだなって思う。
どこまでも、凍りついてしまえばいいのにって思っても、この気持ちだけは凍りつかない。
237:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga sage]
2012/01/26(木) 15:03:04.90 ID:8mwsMNZS0
―結衣―
結衣「わざわざ報告してくれるのは、おせっかいじゃないかな?」
電話を片手にやっていたはずのゲーム。
238:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga sage]
2012/01/26(木) 15:44:53.41 ID:8mwsMNZS0
あかりは偽りながらも、それを認めて偽り続けて。
京子は偽ってるのを分かってるけど、それを理解しようとしてない。
そう考えると、本当にちなつちゃんは器用な子なんだなって思えるよ。
ちなつ『残念って、私結衣先輩からも信頼されてないんですかね?』
239:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga sage]
2012/01/26(木) 16:17:20.07 ID:8mwsMNZS0
ちなつ『結衣先輩は、あかりちゃんに、どうなってほしいんですか?』
結衣「……」
あかりにどうなってほしいのか、それがちなつちゃんの聞いてきたことだった。
332Res/258.59 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。