883:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/04/29(日) 22:27:53.45 ID:ur+gV4mt0
*
「功刀さん……! 功刀さん!」
首筋に青あざが浮いた燐が、
884:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/04/29(日) 22:28:36.53 ID:ur+gV4mt0
悲鳴に近い声を上げた燐を見上げ、
功刀は震える手を、
里が入っているコンピューターに向けた。
燐は思い出した。
885:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/04/29(日) 22:29:22.82 ID:ur+gV4mt0
「カカ…………システム
…………ブレクション………………」
功刀が小さく言って、ガクリと首を垂らす。
886:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/04/29(日) 22:30:14.53 ID:ur+gV4mt0
「それは違う。全ては、俺の油断が招いたことだ」
そこで妙にクリアな功刀の声が聞こえて、
燐は弾かれたように顔を上げた。
887:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/04/29(日) 22:30:49.42 ID:ur+gV4mt0
「俺の体をもう一度構成するだけの魔力がない。
しばらくは、仮の姿でいることにする。
当然魔法は、しばらくの間使えない」
そういった功刀の体から、ゴポリと音を立てて、
888:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/04/29(日) 22:31:21.59 ID:ur+gV4mt0
「あなたの核が……この中に納まっていますの?」
「そうだ。これからは、お前に俺の身を
守ってもらうこととする。
一時的だが、ここをすぐ離れる。
889:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/04/29(日) 22:31:58.36 ID:ur+gV4mt0
功刀の声に急かされ、
燐は飛び出しそうな鼓動を
無理やり押さえつけ、唾を飲み込んだ。
「……分かりましたわ。
890:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/04/29(日) 22:32:39.11 ID:ur+gV4mt0
*
両腕が吹き飛んだマルディが、
地面を滑りながら着地する。
891:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/04/29(日) 22:33:11.72 ID:ur+gV4mt0
変身の有効時間が経過してしまったのだ。
しかしマルディは、両腕がない状態で、
体を固めた。
892:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/04/29(日) 22:33:52.84 ID:ur+gV4mt0
また力を集中しようとして、
しかし体に力が入らずに膝をつく。
そこで、数百メートル離れたガレキの中から、
それを押しのけて白いトカゲ人間が立ち上がった。
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