936:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/04(金) 22:49:25.08 ID:NNs5Kzip0
「…………悪かった。その点に関しては俺の落ち度だ」
「謝るのが遅いよ。もう兄さんなんて知らない。
勝手にすればいい……」
937:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/04(金) 22:49:59.16 ID:NNs5Kzip0
「姉さん……何かあったの?」
恐る恐る問いかける。
涙は息をついてベッドに腰を下ろすと、
938:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/04(金) 22:50:44.88 ID:NNs5Kzip0
おとなしく手を差し出した涙の指先に
バンドエイドを吹きつけながら、
硲は伺うように言った。
「姉さん……エリクシアが追撃してくるんなら、
939:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/04(金) 22:51:15.22 ID:NNs5Kzip0
……駄目だ。
あいつを殺すことは出来ない。
それに、あいつをもし殺せたら……。
940:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/04(金) 22:52:04.23 ID:NNs5Kzip0
涙に聴こえないように息をつき、
硲は首を振った。
しばらくして涙の寝息が聞こえてきたことを確認して、
硲はベッドから起き上がった。
941:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/04(金) 22:52:40.28 ID:NNs5Kzip0
*
一度聞いたことがあった。
「姉さんは、兄さんのどこがいいの?」
942:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/04(金) 22:53:17.43 ID:NNs5Kzip0
「でもまぁ、そこであたしが止めないとね。
際限なくなっちゃうから」
「そこがわかんないんだ」
943:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/04(金) 22:54:04.59 ID:NNs5Kzip0
「…………」
「静かに暮らしたいんなら、
兄さんと一緒にいることないんじゃないかな。
兄さんは……何ていうか、
944:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/04(金) 22:54:56.05 ID:NNs5Kzip0
真正面で見ていた硲でさえも、
それがどういう表情なのか分からない、
憂いを含んだ表情だった。
「約束したからさ。兄さんは、あたしが守らないと」
945:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/04(金) 22:55:43.43 ID:NNs5Kzip0
「え?」
「僕のことが信用できないから、
何か隠してるの?
だから兄さんの言いなりになってるの?」
946:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/04(金) 22:56:22.63 ID:NNs5Kzip0
子供扱いされ、硲の頭にカッ、と血が昇る。
彼は立ち上がって、大股で涙に近づいた。
そして、自分よりも一回り小さな彼女の頭を
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