過去ログ - 少女「それは儚く消える雪のように」 2
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562:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/04/16(月) 19:36:23.59 ID://P1Hl+o0
「絆特務官。あなたは今、幸せですか?」

唐突にそう問いかけられ、絆は一瞬言葉に詰まった。

彼女の問いの意味を推し量ることが出来なかったのだ。
以下略



563:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/04/16(月) 19:37:01.46 ID://P1Hl+o0
絆は、コーヒーの缶をテーブルに置いて息をついた。

そして口を開く。

「怖いよ。いつでも怖い。
以下略



564:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/04/16(月) 19:37:47.18 ID://P1Hl+o0
「…………」

黙り込んだ椿に、絆は静かに続けた。

「死ぬのが怖くない人なんていないよ。
以下略



565:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/04/16(月) 19:38:22.09 ID://P1Hl+o0
「そうかな。元来俺は卑屈な方なんだ」

軽く笑って、絆は冷蔵庫を指でさした。

「あまりで悪いが、ピザがある。
以下略



566:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/04/16(月) 19:39:07.38 ID://P1Hl+o0
霧が、いつか言いかけていた言葉そのままだった。

あの時彼女は、睡眠薬による眠気に
負けて眠ってしまったが、確かにそう言った。

以下略



567:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/04/16(月) 19:39:43.62 ID://P1Hl+o0
「……『私以外を乗せれば、死にます』と
はっきり言われましたわ」

――おそらく、霧のように自己顕示欲が
強いバーリェなのだろう。
以下略



568:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/04/16(月) 19:40:19.13 ID://P1Hl+o0
表情を落としたまま、椿はそう言って席を立った。

「そろそろ戻りませんと。お時間をとらせてしまい、
申し訳ありませんでした」

以下略



569:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/04/16(月) 19:40:55.94 ID://P1Hl+o0
彼女の姿が通路の向こう側に消える。

……まだトレーナーになりたての頃の、
自分にそっくりだ。

以下略



570:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/04/16(月) 19:47:52.46 ID://P1Hl+o0
「私達は死ぬことに恐怖を感じません。
原則として、そういった風に調整されています」

「そんなことはない。雪だって、霧だって、
今は死にたくないと思ってる筈だ」
以下略



571:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/04/16(月) 19:48:36.62 ID://P1Hl+o0
「…………」

「それでも尚、あなたは私にも『生きろ』と
ご命令をされますか?」

以下略



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