1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/06(金) 19:25:51.19 ID:Zp17LYym0
 
  魔女が逃げていくのが見える。 
  尾を引くような笑い声が、だんだんと遠ざかって。 
  空を覆っていた黒い雲の隙間から、太陽の光が差し込んできた。 
  
  瓦礫の山と化した見滝原の夜が明けた。 
  これからもあの魔女は何も変わらず呪いを振り撒き、沢山の人の命を奪っていくだろう。 
  
  首だけ動かして隣を見ると、鹿目さんが泣いていた。 
  ごめんね、弱くて。 
  勝てなかったね、何も守れなかったね。 
  
 まどか「私たちも、もうおしまいだね」 
  
  鹿目さんの穏やかな声が聞こえた。 
  ソウルジェムは見るまでもなく、黒く濁り切っていた。 
  嫌だよ、鹿目さん・・・もう死なないで、もう魔女になったりしないで。 
  
 ほむら「グリーフシードは・・・?」 
  
  鹿目さんが首を振る。 
  そうだよね・・・、あるわけないよね。 
  
 ほむら「ねぇ・・・私たち、このまま二人で、怪物になって・・・こんな世界、何もかもメチャクチャにしちゃおっか?」 
  
  ふとそんな意地の悪い事を口にする。 
  
  そうだ、それもいい。 
  鹿目さんと一緒なら、それでもいい。 
  そう思っていた時、コツンと小さな音がした。 
  
 
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/06(金) 19:26:59.57 ID:Zp17LYym0
  
 まどか「さっきのは嘘。1個だけ取っておいたんだ」 
  
  鹿目さんが手を伸ばして、私のソウルジェムにグリーフシードを当てていた。 
  
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/06(金) 19:28:00.01 ID:Zp17LYym0
  
 マミ「ティロ・フィナーレ!」 
  
  召喚した大砲が火を噴き、ぬいぐるみのような魔女の身体を打ち抜いた。 
  これで倒した・・・そう思った。 
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/06(金) 19:29:11.20 ID:Zp17LYym0
  
 ほむら「魔女の結界が解けていく・・・」 
  
  私を縛るリボンはまだ消えない。巴マミは魔女を倒せたらしい。 
  慢心し、浮かれた彼女では危ないかと思ったが・・・どうやら杞憂だったようだ。 
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/06(金) 19:30:23.16 ID:Zp17LYym0
  
  美樹さやかの死は謎の失踪ということで処理された。 
  学校は一時騒然となり、やがて美樹さやかの行方を探すようなプリントが配られた。 
  
  あの日から、まどかは死んだような目になり。 
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/06(金) 19:31:39.84 ID:Zp17LYym0
  
  巴マミとは対照的に、ずいぶんと冷淡な私が居る。 
  むしろまどかが魔法少女に幻滅してくれてよかったと、美樹さやかの死すら勘定に入れている。 
  
  それでも、まどかを悲しませたことは。 
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/07/06(金) 19:58:42.17 ID:aNgwbZlSO
 夕飯タイムなの? 
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/06(金) 20:26:05.14 ID:Zp17LYym0
  
 まどか「・・・」 
  
  私はベッドに蹲っていた。 
  もうずっと眠れていない。 
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/06(金) 20:47:30.77 ID:Zp17LYym0
  
 まどか「もし私が契約したなら、さやかちゃんを生き返らせてくれる?」 
  
 QB「可能だよ。まどか、君はとてつもない素質を秘めている。君が心から願うならどんな途方もない願いも叶えられるだろう」 
  
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/06(金) 21:23:06.24 ID:Zp17LYym0
  
  学校のチャイムが鳴り、生徒達は食堂へ行ったり、机を合わせ弁当を広げ始める。 
  そんな中でただ一人、呆然としているまどかが居た。 
  
 ほむら「まどか、いいかしら」 
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/06(金) 21:32:04.54 ID:Zp17LYym0
  
 マミ「死んでしまえ!!」 
  
 QB「今日だけで6体目だね、マミ。残念ながら全部使い魔だったけど」 
  
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/06(金) 21:57:55.38 ID:Zp17LYym0
  
  深呼吸。 
  マミさん、怖がってる。 
  私もこんな風だったのかな。 
  
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/07/06(金) 22:01:39.08 ID:BPTAX76bo
 黒まどかww 
 あんなこと言わなきゃというか、ほむらを縛ったりしなければ… 
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/07/06(金) 22:14:41.37 ID:O8w/buR3o
 読みやすくていいな 
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/06(金) 22:19:10.60 ID:Zp17LYym0
  
  結界が解けていく。 
  巴マミだった悲嘆の種が音を立てて転がっていく。 
  
  あまりにも予想外だった。 
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/07/06(金) 22:28:31.71 ID:BPTAX76bo
 この流れはあのほむら3部作の人かな? 
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/06(金) 22:47:34.42 ID:Zp17LYym0
  
  あの日からまどかは学校にも来なくなった。 
  私は風の吹き抜ける屋上で、一人佇んでいる。 
  
  状況は望ましい、といえば望ましい。 
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/07/06(金) 23:09:50.74 ID:nXVDRzPv0
 マミさん…夢も希望もねえな…… 
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/06(金) 23:16:02.18 ID:Zp17LYym0
  
  学校は再び騒然とした。 
  早乙女先生も泣きだしている。 
  
  ねぇ、まどか。 
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[sage]
2012/07/06(金) 23:17:20.09 ID:lJZpbq3ko
 さらに夢も希望も無かった。 
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