12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/18(水) 16:56:16.66 ID:clEHf3P+o
「もし、もしよかったらウチに来てみないかね」
高木様には一飯の恩義があります。
力を回復するためにねぐらも要りましょう。
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2012/07/18(水) 16:56:56.71 ID:clEHf3P+o
765プロの事務所を見て私は―――高木様風に言うならば―――ティン! ときました。
事務所の地下を走る水脈は複雑に絡み合い、龍穴となって気に満ちておりました。
ここを拠点とすれば失った力が戻るのもそう長くはかからないでしょう。
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2012/07/18(水) 16:58:29.15 ID:clEHf3P+o
ともあれまずはアイドルです。
私に舞妓としての素養があるとはとても思えませんが、高木様のご期待に添えられるよう精進せねばなりますまい。
ガラスの入った扉を開くと、少々薹(とう)の立った女性が出迎えてくれました。
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/18(水) 16:59:04.80 ID:clEHf3P+o
「どうかお許しを……」
「え? あ? へ? は、ははー!」
女性はなぜか土下座をもって返答されました。
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/18(水) 17:00:02.18 ID:clEHf3P+o
小鳥嬢は失礼ながら粗忽なお人のようです。
しかしながらとても温かい人柄で、私はこの765プロを非常に気に入ってしまいました。
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/18(水) 17:00:42.70 ID:clEHf3P+o
「貴音ちゃんは学校どうしてるの?」
「お恥ずかしながら私には学が欠けておりまして……」
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2012/07/18(水) 17:01:30.74 ID:clEHf3P+o
「え? あら、そんなことないわよ、ふふ。この世界は実力社会だからたいした問題じゃないわ。
それに貴音ちゃんならすぐに人気者になれるわよ。」
「そう……でしょうか?」
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2012/07/18(水) 17:02:49.66 ID:clEHf3P+o
「とってもいい子だから。
まだ会ってほんの短い時間だけど、貴音ちゃんを応援したいなって、そう思わせる何かがあなたにはあるの」
驚きながら首を振ると銀色の髪がうなじをくすぐりました。
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/18(水) 17:03:37.64 ID:clEHf3P+o
「当分はレッスンだけになると思うけど頑張ってね。今日はいないけど他の子もみんないい子だし、
その子達を担当してくれてるプロデューサーさんともきっと仲良くなれるわ。もしなにか困ったり
わからない事があったら相談してね」
「ありがとうございます」
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/18(水) 17:04:22.18 ID:clEHf3P+o
扉が閉まるのを見て私は床に耳をつけました。
『脅迫ですか!?』
少々くぐもっていますがハッキリと聞き分けられます。
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2012/07/18(水) 17:06:14.62 ID:clEHf3P+o
「ふむ……」
どうやらこれは私向けの仕事のようです。
膝を払いながら立ち上がり、するすると音も無く事務所を出ました。
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