過去ログ - 少女「治療完了、目を覚ますよ」−オリジナル小説
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109:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/17(水) 07:52:30.62 ID:FW+Jr7MZ0
「そうか?」

顔を上げずに、彼は続けた。

「まぁ、起きた頃には忘れてるさ。それより見てみろ、大河内」
以下略



110:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/17(水) 07:53:07.84 ID:FW+Jr7MZ0
「なぁ、この患者の治療はもうやめにしないか?」

「…………」

圭介は少し沈黙してから、言った。
以下略



111:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/17(水) 07:54:00.31 ID:FW+Jr7MZ0
「汀にとって、お前は『お父さん』であり、『恋人』であるかもしれないけど、
お前にとって、汀は『娘』でも『恋人』でもないぞ。
俺も同じだ。入れ込みすぎているのはどっちだ?」

問いかけられ、大河内が口をつぐむ。
以下略



112:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/17(水) 07:55:44.96 ID:FW+Jr7MZ0


汀が目を覚ました時、丁度圭介が点滴を替えているところだった。

汀は起き上がろうとして、体に力が入らないことに気がつき、
以下略



113:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/17(水) 07:56:25.35 ID:FW+Jr7MZ0
「加減?」

「…………」

圭介が、不思議そうに問い返した汀を見る。
以下略



114:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/17(水) 07:56:54.71 ID:FW+Jr7MZ0
どもりながらそう聞く彼女に、圭介はまた少し沈黙した後、答えた。

「お前、覚えてないだろうけど、昨日の夜かなり具合が悪かったんだ。
どの道、クスリ飲んでたから話は出来なかったと思うよ」

以下略



115:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/17(水) 07:57:33.48 ID:FW+Jr7MZ0
まるで、昨日大河内とWiiで遊んだことを、
いや、彼がこの部屋に来たことさえもを覚えていない風だった。

否、覚えていない風、なのではない。

以下略



116:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/17(水) 07:58:26.32 ID:FW+Jr7MZ0
問いかけられ、汀は写真を覗き込んだ。

そして首を傾げる。

「誰?」
以下略



117:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/17(水) 07:58:54.16 ID:FW+Jr7MZ0
「いいよ。圭介がそう言うなら」

にっこりと笑って、汀は続けた。

「その人を助けることも、『人を助ける』ことになるんでしょう?」
以下略



118:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/17(水) 07:59:24.32 ID:FW+Jr7MZ0


「……そうか。一緒に遊んだ記憶が飛んだか」

赤十字病院の一室で大河内がそう言う。
以下略



119:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/17(水) 07:59:59.61 ID:FW+Jr7MZ0
含みを込めてそう言うと、
圭介はガラス張りの部屋の向こうに目をやった。

数日前のように、車椅子にマスク型ヘッドセットをつけた汀と、
前に横たえられた壮年男性の姿が見える。
以下略



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