203:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/16(木) 22:33:26.61 ID:wcZEUiH+o
女神から
204:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/20(月) 22:35:05.17 ID:ctdSSd06o
次の土曜日、僕はもう奈緒をピアノ教室に迎えには行かなかった。十一時頃になっても
リビングのソファに座ったまま付けっぱなしのテレビをぼうっと見ている僕を、明日香は
何か言いた気にちらちらと眺めていた。さりげないつもりだったのかもしれないけど、そ
の視線はあまりにも露骨だったのでしまいには僕は笑い出した。明日香は戸惑ったように
205:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/20(月) 22:35:37.74 ID:ctdSSd06o
別にどこに行ってもよかったのだけど、僕は明日香と一緒に水族館に行くことにした。
デートに水族館というのが適切なのか、それとも明日香のように遊んでいた女の子にとっ
てはいい加減にしろよとかっていう感想を抱かれるような場所なのかはわからなかった。
それでも水族館に誘ったことには理由があった。
206:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/20(月) 22:37:18.33 ID:ctdSSd06o
さっき僕が奈緒を迎えに行かない理由を聞いて顔を赤くした明日香は可愛らしかったけ
ど、今の彼女の表情にはその片鱗すら覗えない。
昨日も考えたように明日香の悩みはいくつか考えつくことはあった。入院していて今だ
207:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/20(月) 22:37:46.51 ID:ctdSSd06o
僕は奈緒から告白されたことを洗いざらい明日香に話した。それから俯いたまま身動き
すらしない明日香に話しかけた。
「奈緒は僕が実の兄だと知っても僕のことが好きだって、僕と恋人同士でいたいって言っ
208:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/20(月) 22:38:31.09 ID:ctdSSd06o
別にいつものことだから驚きもしなかったけど、土曜日だというのに自宅は真っ暗なま
ま夜の底に沈んでいた。
家に入ってリビングの明かりをつけるとようやく少しだけ家が生命を宿したような感じ
209:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/20(月) 22:39:04.36 ID:ctdSSd06o
あのときパパはあたしの提案を受け入れてくれたのだと思っていた。あの夜、パパはも
うあたしに手を出そうともせずに自分の書斎に閉じこもってしまった。寝る前にそっとド
アを少し開いてパパの部屋の中を眺めた。パパは写真立てを手に持ってじっとその中の写
真を眺めていた。その写真のことはよく知っていた。あたしが物心ついたときからパパの
210:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/20(月) 22:39:47.13 ID:ctdSSd06o
「本当に大切な相手を傷つけてまで自分の想いを遂げるべきではないよ」
そう言ったパパの言葉にあたしは凍りついたた。パパは再び過去の過ちを繰り返そうと
しているのだ。
211:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/20(月) 22:40:15.98 ID:ctdSSd06o
今日は以上です
次回は女神投下後になる予定です
212:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/20(月) 23:48:13.35 ID:7Ob32LnDO
乙
213:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/21(火) 07:12:14.31 ID:NTnfkKcqo
乙
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