17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 15:46:27.36 ID:L62z0KCK0
千歳「綾乃ちゃん、うちらはこっちの道やで〜」
綾乃「そ、そそそ、そうね!」
二人の言葉と共に、綾乃の手が私の手から離れていく。
あ…、思わずこぼれた言葉は誰にも聞こえてないみたいだったけど、それが何を求めて口からこぼれた言葉なのか。
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2013/02/22(金) 15:47:09.06 ID:L62z0KCK0
こんな冷たい声が、私の口から出ているのかって思った時に、あかりの足が止まっていた。
でもまだ手は握られたままで、何も言わずにただ立ち止っていた。
あかり「あかり、京子ちゃんに何かしちゃった……のかな?」
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2013/02/22(金) 15:47:48.92 ID:L62z0KCK0
鞄を床に、制服を適当に脱いでショーツだけでベッドに横たわる。
部屋の中はすでに暖房が掛っていて、その点を母親に感謝しながら体中に感じた疲労を全部溶かす。
染み込んでいくように、ベッドに疲れが落ちていく。
京子「……なんで、なんでだよ」
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2013/02/22(金) 15:49:43.82 ID:L62z0KCK0
数回の呼び出しコール、のんびりと待つ間はなんとも退屈な時間ではある。
綾乃『も、もも、もしもし』
掛けた相手は綾乃にだ。特に理由は……なかった。
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 15:50:14.04 ID:L62z0KCK0
楽しい会話、楽しい時間、途中からは趣味の話とかになって、一息入れるために紅茶を入れたりするくらいに長く話した。
思った以上に綾乃はおしゃべりで、途中今日の手を繋いだことについて聞いたときは、おもしろいくらいに狼狽していたけど。
綾乃『でも、先に手を握ってきたのは歳納京子のほうじゃないの!』
22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 15:50:47.93 ID:L62z0KCK0
京子「おはよー」
結衣「おいおい、どうしたんだよ?」
玄関を開けての開口の挨拶に対しての返答はそれであった。
少しばかりの喉の痛みを感じながら、私は通学路に足を踏み入れる。体自体がだるいわけではないし、熱があるわけではないが、喉風邪を引いたようである。
23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 15:51:22.49 ID:L62z0KCK0
結衣「京子、あかりの忠告を無視したんじゃないだろうな?」
京子「なんの話だよ?」
突拍子もなくなんの話だと思うと、結衣が昨日送られてきたメールの話をしてきた。
それは私に送られてきたメールと同じで、あかりはみんなにそんなメールを送っていたのかと、まるで母さんみたいだなって思う。
24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 15:52:21.29 ID:L62z0KCK0
放課後、気付いたら私は部室に行ってなかった。
携帯にはメールが二つ、ちなつちゃんと結衣からあって、少し用事があるから遅れていくなんて繕った。
結衣にはそんなメールを送っても見透かされている気がしたけど、別に気にする必要もなかった。
やることがないからって、図書室に行ってみると思った以上に人がいなかった。
なんで思ったけど、あかりが使えるようにしてくれた学習室に、今まで勉強していた人が移ったのだろう。
25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 15:53:44.05 ID:L62z0KCK0
―結衣―
ちなつ「結衣先輩、今日何かあったんですか?」
そうちなつちゃんに言葉をかけられて、そんなことないよと答える。できる限り勉強に気を向けていたけど、内心は何とも安定はしていなかった。
26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 15:54:30.40 ID:L62z0KCK0
結衣「ちなつちゃん?」
ちなつ「それよりも、結衣先輩も勉強しなきゃ。私、お茶を入れてきますね」
そう言ってちなつちゃんはお茶を入れに向かう。
違和感に苛まれながら、携帯を一度開いて昨日のメールを開く。
27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 15:55:09.50 ID:L62z0KCK0
―綾乃―
あかり「先輩、この資料はこれでいいんですか?」
綾乃「うん、それで大丈夫よ。ほんとあかりさんはよくできるわね」
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