912:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/10(日) 09:10:22.35 ID:nQ4y3AGI0
しかし、今ここに雪美はいない。
千世がどれだけ重荷に思おうが、リーダーであることは変わらない。
プログラムという状況下、自分の命だけならいざ知らず、千世に万一のことがあった場合には優人と葉瑠を道連れにしてしまう。
周りに頼ってばかりいられる状況では最早ない。
913:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/10(日) 09:11:11.66 ID:nQ4y3AGI0
雪美ちゃん…古都美ちゃん…元気しとるやろうか…
なあ、2人は、ちゃんと今笑っていられてるんかなぁ…?
「…おーい、千世?」
914:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/10(日) 09:12:08.21 ID:nQ4y3AGI0
葉瑠は顔を離し、俯いた。
きっと、葉瑠も状況のわからない友人たちを思っているのだろう。
特に、教室を出る時に阪本遼子(女子七番)は不機嫌さを顕にして興奮状態だったし、平野南海(女子十四番)は自分で立ち上がることもできない程に憔悴しきっているように見えたので、一層心配しているだろう。
「…じゃあさ、みんなを…探しに行く?」
915:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/10(日) 09:12:48.95 ID:nQ4y3AGI0
ミラクルみんなくる!
916:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/10(日) 09:15:09.66 ID:nQ4y3AGI0
せめて笑っててほしいとか思っとったくせに、うちのせいで笑っていられなくなるとか…ほんま、うち、最低なリーダーもどきやった……
雪美ちゃん、古都美ちゃん…お別れ、言えんかった、なぁ…
最低やった…罰…やろか……
華那ちゃん……もうすぐ、行くわ――
917:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/10(日) 09:16:54.49 ID:nQ4y3AGI0
春川英隆(男子十四番)はベレッタM92Fを下ろした。
眼前では、英隆の放った銃弾を背中から浴びた荻野千世(女子三番)がアスファルトに血の池を作りながら倒れて虫の息となっており、小石川葉瑠(女子五番)が千世の名前を必死に呼び、相葉優人(男子一番)は瀕死の千世を見て震えていた。
ああ、晴れてこれで俺も人殺しになるんだね…
918:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/10(日) 09:19:01.41 ID:nQ4y3AGI0
「…ほんと、頭が良くて口も回る人って嫌になる」
言葉を発したのは、永佳だった。
「赦すとか赦さないとか…しょうがないでしょ、これ、プログラムなんだから。
919:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/10(日) 09:19:39.46 ID:nQ4y3AGI0
「『うん、わかった。好きにする』…なんて言うわけないじゃん。
生きるためには、他の班は全滅させなきゃいけないってルールだし。
割り切れならさ、リタイアすれば?」
永佳は静かな声でそう言うと、鈍色に光る自動拳銃コルト・ガバメントを両手で持ち、ゆっくりとその銃口を葉瑠と優人へと向けた。
920:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/10(日) 09:20:55.20 ID:nQ4y3AGI0
今度は葉瑠がその手に拳銃を握っていたのだ。
「…結局撃つんじゃん、小石川さんだって」
永佳の言葉に、葉瑠は鼻で笑った。
921:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/10(日) 09:21:31.78 ID:nQ4y3AGI0
その声に安堵感が混ざっていたことに自嘲の笑みを浮かべた。
結局直接的に誰の命を奪うこともなかったことにほっとしてしまっている――こんなことではいけないと頭ではわかっているのに。
「…ヒデ」
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