過去ログ - P「始原のiDOL」
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11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:08:52.59 ID:y8XKonFyo
 逃れる場所は無いはずだった。

 どちらに避けようと、誰かの拳は当たる。
 誰かが体をとらえれば、そのまま抱きついてでも動きを止めてしまえばいい。

以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:10:06.15 ID:y8XKonFyo
「やるなあ。でも、真なら、もっと簡単に片付けられたんじゃないか?」
「やめてくれよ。本当にボクは暴力が嫌いなんだってば」

 響がからかうように言うのに、真は妙に情けない顔で応じる。

以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:11:56.07 ID:y8XKonFyo
「ありゃりゃ、そっちは響のお仲間だったか」

 真が頭をかきかき言うのに、響が口を尖らせる。

「こんな『雑じり』と一緒にしないでよ。ひどいなあ」
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:13:15.24 ID:y8XKonFyo
「ぐっ」

 体をひねってよけても、巨猿の拳は、響の体をかすめた。
 直接に衝撃を受けずとも、ひっかけられた形で、彼女の体は先ほどよりさらに高い空中に放り出される。

以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:14:22.24 ID:y8XKonFyo
 彼女の背後で、ビルの壁にびしびしとひびが走り、何本もの配管がはがれ落ちていった。

「ぐわふ」

 響の動きを目で追った巨猿が奇妙な声をあげる。
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:15:45.56 ID:y8XKonFyo
「ほっといてもいいのかなあ」

 巨猿は上を向き、口をぽかりと開けてだらだらと血泡混じりのよだれを垂れ流している状態だ。

 響が手刀の一撃で心臓を抜き取った胸は、分厚い筋肉が反射的に盛り上がって傷が埋まってしまっている。
以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:16:45.17 ID:y8XKonFyo
 この手で心臓を握りつぶしたはずの相手が、真の背を滅多打ちになどできるはずがない。

 だが、実際には巨猿は顔自体をどこかあらぬ方に向けたまま、真の背にその手のかぎ爪を打ち付けているのだった。

 その鋭く汚らしい爪が真の背を打つ度、鮮血が飛び、響にまで衝撃が届く。
以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:17:40.54 ID:y8XKonFyo
 血だまりの中でひくひくとうごめきながら縮んでいく、その体。

 裸の人間へと変じていくその様子をにらみつけながら、響が呟く。

「なんで、こいつ……」
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:18:41.76 ID:y8XKonFyo
「それでボクの力もわかると思うから。どう?」
「いいんだな?」

 どうやら本気らしいと判断した響が、獰猛な顔つきで確認する。
 それに対して、真はさわやかな笑顔で応じるのだった。
以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:20:40.36 ID:y8XKonFyo
 だから、なにが起こるか、彼女は見逃さぬようにしていたのだ。

 真は地面に倒れている。

 上半身の衣服はぼろぼろに破られていて、ブラジャーもはずれかけているように見える。
以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:21:14.80 ID:y8XKonFyo
「いや、違うよ? ボクはただ蘇るだけ。身につけていたものまで戻るのは便利だけどね。でも、小鳥さんみたいに『死なない』のとはちょっと違うかな」
「あの人は、不死?」
「うん。不老不死。もう五〇〇年くらい生きてるんじゃなかったかな。あれ、八〇〇年だっけ? まあ、そんなとこ」

 小首を傾げてそんなことを言う真に、響はひゅっと小さな息を吐く。
以下略



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