過去ログ - 美希・雪歩「レディー!」
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37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 22:04:16.59 ID:sFFUNv8Z0
【3】

 あずさのオーディションから二日後、美希が事務所に行くと、待ってましたとばかりに事務所のメンバーから一斉に出迎えられた。
 どうやら、オーディションの翌日から、事務所ではあの日に起きた事件がちょっとしたニュースになっていたようである。

以下略



38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 22:07:27.80 ID:sFFUNv8Z0
「あれ?」
 美希が不意に、キョロキョロと辺りを見回した。
「あの人は?」

「プロデューサーさんなら、オーディションに行ってるわよ」
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39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 22:09:28.48 ID:sFFUNv8Z0
「あんな奴らがいるのか、と思ったよ」
 すっかり憔悴しきった顔で、プロデューサーは重い口を徐々に開き始めた。

「961プロのジュピターというグループなんだが、今まで見たどのアイドルとも違っていた。
 毛並みも、実力も。何より、モチベーションがあまりにも違う」
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40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 22:10:52.66 ID:sFFUNv8Z0
「へぇー。新幹少女って子達、負けちゃったの」
 プロデューサーの言葉に事務所の空気が一様に重くなっていく中、美希だけは間の抜けた声を出していた。

「あんたねぇ、状況が分からないの?
 あずさを負かした連中を上回る新しいライバルが、今後オーディションを荒らしていくのよ?」
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41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 22:12:46.06 ID:sFFUNv8Z0
「美希君の言う事にも一理ある」
 律子達の後ろで黙って話を聞いていた高木が、美希に賛同した。

「今の我々が961と張り合う必要などない。
 これまで通り、地道にレッスンを重ね、着実にオーディションを受けていけば良いのだ。
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42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 22:14:28.56 ID:sFFUNv8Z0
「響、明日でないと高木殿はいらっしゃらないのでは?」
「せっかくここまで来たんだし、事務所の人達に挨拶くらいしたってバチは当らないさー」

 外で、何やら声が聞こえる。律子は玄関へ行き、ドアを開けた。

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43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 22:16:04.22 ID:sFFUNv8Z0
 沖縄生まれだという響は、美希の良い遊び相手になっていた。

 もとい、おもちゃという表現が正しいのかも知れない。
 響にその気は無いのだが、一方的に美希に振り回される事が多いようだ。
 今日も美希は事務所のソファーに腰掛け、響の長い黒髪を撫でながら恍惚とした表情を浮かべている。
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44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 22:17:40.67 ID:sFFUNv8Z0
「もし、萩原雪歩」
 穏やかで丁寧な声に、雪歩は振り向いた。

 見ると、貴音が湯のみと急須を持って立ちつくしている。
「響にお茶を淹れてあげたいのですが、お茶っ葉はどこにあるのでしょう?」
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45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 22:19:47.56 ID:sFFUNv8Z0
 人数分の湯飲みを用意し、ソファーにお茶を持っていく時には、雪歩の顔は既にほころんでいた。
「あっ、雪歩、お茶ありがとう! でも何で笑ってるんさー!」
「あわわ、響ちゃんごめんね! つい――」
「雪歩もこっち座るの! 響の髪、半分あげるね」
「ふふっ、この指触りは真、癖になりますね」
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46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 22:22:01.77 ID:sFFUNv8Z0
「あれっ、何で他の人達が使ってるの? 律子、場所合ってるよね?」
 さん付けで呼びなさい、と美希に注意するのも忘れ、律子はジュピター三人の顔を一人一人順番に見た。

 金の短髪で長身の男は伊集院北斗、反対に小柄で幼い顔をした少年は御手洗翔太。
 そして、律子達から見て一番奥にいた青年が、彼らのリーダーである天ヶ瀬冬馬だ。
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47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 22:23:39.11 ID:sFFUNv8Z0
 響は、顔がカァーッと熱くなった。
 自分の落ち度を指摘されたせいもあるが、貴音のことも責められるのは我慢できなかった。
「違う! 自分はちょっと寄り道しちゃったから遅れたんだけど、貴音は違うさー!
 貴音は――」

以下略



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