過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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457:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 06:58:21.61 ID:x3h76RAXo



 丘の下の街並みは、実際に歩いてみると、見下ろしていたときよりも、ずっと大きく、広く思えた。
 石畳の通りを歩きながら、雨の降り続く街を歩く。
以下略



458:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 06:58:48.51 ID:x3h76RAXo

 シラユキは黙り込んでいる。
 
 わたしが街に向かうと言ってから、彼女の態度は明らかに変だった。
 何か言いたいことがあるのに、それを言うことができないというような表情。
以下略



459:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 06:59:17.17 ID:x3h76RAXo

 背の高い石造りの建物が通りの両側を囲んでいた。
 わたしはなんだか奇妙な気分になってくる。
 
 わたしも、シラユキも傘をさして歩いていた。
以下略



460:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 06:59:46.83 ID:x3h76RAXo

「……ねえ、シラユキ。わたしはずっと思っていたんだけど」

 わたしは彼女の横顔をひそかに眺めながら、訊ねた。
 シラユキの表情は透明で、雨の街の中で、静かに消えてしまいそうにすら見えた。
以下略



461:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 07:01:27.29 ID:x3h76RAXo

 それは、つまり、どういうことなのだろう。
 よく分からない。でも、このままでは不可能、という言葉は、なんだかわたしを不安にさせた。

 彼女の言葉が本当なら、わたしは一度出直すべきなのか。
以下略



462:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 07:02:04.38 ID:x3h76RAXo

 わたしはその言葉に、さらに不安を掻き立てられた。
 シラユキはわたしを促すと、広場への道を先導した。

「シラユキ?」
以下略



463:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 07:04:01.71 ID:x3h76RAXo

 輪の中心の地面は大きな円形に高く盛り上がっている。
 ちょうど人々の胸のあたりの高さで、奥から昇るための階段があるらしい。

 その中央には、背の高い男性二人に捕らえられた、ツキの姿が見えた。
以下略



464:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 07:04:45.47 ID:x3h76RAXo

 静寂が広場を包む。
 ほかの人々に遅れて、ツキが顔をあげ、わたしを睨んだ。
 
 思わず、息を呑む。
以下略



465:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 07:05:32.28 ID:x3h76RAXo

「御嬢さん」

 と声がした。聞き覚えのある声。わたしはその声に、強い抵抗を覚えた。

以下略



466:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 07:06:04.56 ID:x3h76RAXo

 男は首をかしげた。心底不思議そうな顔。

「ツキ」

以下略



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