462:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 07:02:04.38 ID:x3h76RAXo
わたしはその言葉に、さらに不安を掻き立てられた。
シラユキはわたしを促すと、広場への道を先導した。
「シラユキ?」
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2013/06/15(土) 07:04:01.71 ID:x3h76RAXo
輪の中心の地面は大きな円形に高く盛り上がっている。
ちょうど人々の胸のあたりの高さで、奥から昇るための階段があるらしい。
その中央には、背の高い男性二人に捕らえられた、ツキの姿が見えた。
464:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 07:04:45.47 ID:x3h76RAXo
静寂が広場を包む。
ほかの人々に遅れて、ツキが顔をあげ、わたしを睨んだ。
思わず、息を呑む。
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2013/06/15(土) 07:05:32.28 ID:x3h76RAXo
「御嬢さん」
と声がした。聞き覚えのある声。わたしはその声に、強い抵抗を覚えた。
466:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 07:06:04.56 ID:x3h76RAXo
男は首をかしげた。心底不思議そうな顔。
「ツキ」
467:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 07:07:49.58 ID:x3h76RAXo
わたしは縋るような気持ちでシラユキを見た。でも、彼女は何も言わない。
段々と焦ってきて、わたしは彼女の服を何度か引っ張った。
それでようやく、彼女はわたしの方を見てくれた。
468:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 07:09:38.97 ID:x3h76RAXo
ツキはわたしをじっと見つめた。
「待って」
469:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 07:10:09.64 ID:x3h76RAXo
「どうされました?」
と村長は言った。わたしは一度シラユキを見た。彼女はわたしを見ているだけだった。
ツキもまた、何も言わない。何も言わず、こちらを見ている。
470:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 07:10:35.90 ID:x3h76RAXo
「……何も、殺すことはないんじゃないの?」
「決まりです」
471:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 07:11:43.72 ID:x3h76RAXo
「でもわたしは、彼を助けたいの」
「"助けたい"?」
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