67:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/21(火) 12:47:48.39 ID:C7Vfv6ZSO
 乙 
68:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/22(水) 08:05:46.08 ID:vaaX809Zo
  
 ◇ 
  
  わたしの説明を聞いて、シラユキは考え込むように頷いた。 
   
69:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/22(水) 08:06:27.91 ID:vaaX809Zo
  
  書庫はやはり、薄暗い。シラユキは入口で一度立ち止まって辺りを見回したあと、ゆっくりと歩き始めた。 
  わたしは半ば引っ張られるようにしてついていく。 
  
  彼女は本棚と本棚の間を一列ごとにしっかりと確認した。 
70:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/22(水) 08:08:43.82 ID:vaaX809Zo
  
 「何もないですね」 
  
 「……何かあったら、困るよ」 
  
71:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/22(水) 08:11:50.32 ID:vaaX809Zo
  
  でも、もしすべてがわたしの気のせいじゃないなら、おかしなことがあったのはここだけじゃない。 
  わたしの部屋、それから階段、この地下。 
  そのすべてに現れた何者かがいるとするなら、その人物は屋敷を自由に闊歩していることになる。 
  
72:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/22(水) 08:14:45.19 ID:vaaX809Zo
  
 「部屋で休んでいた方が……。鍵だって一応ありますし」 
  
 「その部屋に、誰かがいるかもしれないんだってば」 
  
73:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/22(水) 08:16:22.37 ID:vaaX809Zo
  
  わたしは、あのときの声は村長だったのか、と少し場違いな気持ちになった。 
  空き巣? わたしは少し拍子抜けしたような気分になる。 
  でも、たしかに考えてみればそうだ。もし屋敷に忍び込んだのが空き巣なのだとしたら、納得できる。 
  
74:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/22(水) 08:17:13.24 ID:vaaX809Zo
  
 「その空き巣って、どんな話だったの?」 
  
 「どんな、というと?」 
  
75:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/22(水) 08:18:58.09 ID:vaaX809Zo
  
 「でも、何も盗まれてはいなかったそうです」 
  
 「盗まれていない?」 
  
76:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/22(水) 08:21:14.91 ID:vaaX809Zo
  
  シラユキはわたしの疑問には答えなかった。 
  不思議な沈黙だった。わたしはシラユキがの考えが手に取るようにわかった。 
  彼女はその疑問の答えが想像できているのに、わたしに対して口にしなかったのだ。 
  
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