94:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/23(木) 08:26:11.81 ID:eYA5xb04o
◇
それからわたしたちは一緒にお風呂に入って、シラユキの部屋で一緒に眠った。
不思議と、穏やかな夜だった。雨の音がとても優しく聞こえるような。
95:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/23(木) 08:26:41.47 ID:eYA5xb04o
手のひらの感触。
わたしが触れた瞬間、彼女の指先がぴくりと動いた。
でも、それだけだった。目を覚ますこともなかったし、握りかえしてくれることもなかった。
96:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/23(木) 08:27:23.79 ID:eYA5xb04o
◇
夢を見ている。
97:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/23(木) 08:27:51.37 ID:eYA5xb04o
つづく
98:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/23(木) 11:53:51.93 ID:pPpav50AO
どういうこと……?
乙
99:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/23(木) 22:58:49.34 ID:ApPPG8RAO
続きが気になる気
100:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/24(金) 06:22:07.19 ID:J60wAoTTo
◇
目を覚ますと、わたしはひとりだった。
まるで同じ一日を再現しているかのように、シラユキは既にベッドにいなかった。
101:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/24(金) 06:22:47.33 ID:J60wAoTTo
その静寂は、物寂しげで、悲しげで、ひどく寒々しい。
窓から差す蒼白い光。それも、慣れてしまえば心地よくなる。
だからわたしは、どれだけ寒くても、この朝の引き締まった空気が好きだ。
102:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/24(金) 06:24:08.96 ID:J60wAoTTo
わたしが玄関ホールの近くに行くと、話し声が聞こえた。
誰かがいる。
「……ですけど、本当に」
103:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/24(金) 06:25:13.84 ID:J60wAoTTo
「例の人影が、この屋敷の方に向かうのを見た者がいるのです」
すぐに、例の空き巣の話をしているのだと分かった。
わたしは壁にもたれて静かに溜め息をつく。男の神経質そうな声。なんだか、無機質な印象を受ける。
104:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/24(金) 06:26:14.72 ID:J60wAoTTo
堅苦しい口調で話すその男に、わたしはなんだか嫌な気持ちになった。
声に抑揚というものがないのだ。色というか、気配というか、そういうものがなかった。
生きている感じがしないのだ。下界の人間はみんなそうなのだろうか?
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