過去ログ - モバP「七人目の正直」
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6: ◆m03zzdT6fs[sage saga]
2013/06/12(水) 03:23:30.98 ID:XCXUAY/Ho
 黒いセミロングヘアの女性。澄んだ琥珀色の瞳に、色白の肌。落ち着いた雰囲気の洋服に、控えめながらよく似合うネックレス。

 俺は何の理由もなく思う。この子は、売れると。この子であればきっと、トップアイドルになってくれると。

 気が付けば、俺は声を掛けていた。何の躊躇もなく、何の脈絡もなく。
以下略



7: ◆m03zzdT6fs[sage saga]
2013/06/12(水) 03:24:26.35 ID:XCXUAY/Ho
「零細プロダクションのPさん、ですか?」

『あ、あぁ。そこで、まあ、スカウトと事務員とトレーナーと社長とマネージャーを兼務してる。だからこうやって、声を掛けたわけなんだが』

 俺は自分の担当している役柄をすべて並べ立てる。こう見れば、とても忙しいように見えるが、所詮は零細だ。仕事もなければアイドルもいないのである。
以下略



8: ◆m03zzdT6fs[sage saga]
2013/06/12(水) 03:24:56.04 ID:XCXUAY/Ho
 俺のまくしたてるように、慌てふためく姿を見て、彼女は少し愉快そうに笑う。一方の俺はきょとんとした顔だ。変な人と思われたのかもしれない。少し、いやかなりがっついてしまっていた可能性が、否定しきれない。

『あ、えっと、どうかしたのか』

「ふふ、面白い方と思って。そんなにあわてなくても、私は逃げませんよっ♪」
以下略



9: ◆m03zzdT6fs[sage saga]
2013/06/12(水) 03:25:26.22 ID:XCXUAY/Ho
『ところで、名前を教えてくれたってことは……』

「はいーっ! 少しお話を聞いてみたいと思いました!」

『本当か……っ! いや、ありがとう、茄子さん! 君ならきっと、いや間違いなくトップアイドルになれる! 言い切ってもいいぞ!』
以下略



10: ◆m03zzdT6fs[sage saga]
2013/06/12(水) 03:26:17.72 ID:XCXUAY/Ho
書き溜め分は以上です。少しずつ書いていきますので、またご機会があれば読んでいただけると幸いです。


11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/12(水) 03:36:57.14 ID:Te6GJ4lB0

期待してるよ


12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/12(水) 09:11:42.20 ID:SCX4Ckpgo
おつ
茄子さんファンとして期待


13: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/06/13(木) 22:40:42.02 ID:1eqe0XcWo
『……お、来たか、茄子さん』

「おはようございますっ! Pさん、今日のレッスンは何時からでしたっけー?」

『ん? ああ、ええと、四時から二時間だな。今日は知り合いのトレーナーさんが引き受けてくれるそうだ』
以下略



14: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/06/13(木) 22:41:12.89 ID:1eqe0XcWo
「わかりました、Pさん。でも、Pさんのレッスン、楽しみなんですよー? 厳しすぎず、簡単すぎずで、私にぴったりですからっ」

『はは、そう言ってくれるのはありがたいな。何かあれば、また相談してくれ』

「はいっ、では行ってまいりますよー♪」
以下略



15: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/06/13(木) 22:41:38.76 ID:1eqe0XcWo
(しかし、手持ちの選択肢が少なすぎる)

 ただ現状は、かなり厳しいと言えた。中小規模の所に彼女の実力を完全に発揮させてやれるプロデューサーは多くない。居たとしても、その事務所の有望株育成に忙しいだろう。

 一方、有名なところや大規模プロダクションとは、ほとんどパイプラインを持ち合わせていないし、俺自身の移籍の実績が多いともいえない。
以下略



16: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/06/13(木) 22:42:04.90 ID:1eqe0XcWo
 ばしん。事務所に大きな破裂音が響いた。

 気が付けば、俺は自分で自分を叩いていた。右の頬と、右の手がじんじんと痛みを発している。

『……馬鹿か。俺は』
以下略



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