7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/06/12(水) 20:52:38.01 ID:vLNSj/6Bo
真奥「……鈴木さんだっけ? あの、何なのこれ」
真奥は立ったまま、憂鬱な顔で梨香に向かってそう言った。
恵美の顔は真っ赤に紅潮しており、目は虚ろだ。明らかに出来上がっていた。
どうにも嫌な予感しかしない。
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2013/06/12(水) 20:53:13.86 ID:vLNSj/6Bo
恵美は話を聞いている様子もなく、枝豆の皮を剥く作業に熱中していた。
手がすべり落下する枝豆を見て、それでいいのか勇者と敵の心配をする真奥。
梨香「恵美のことどう思ってる?」
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2013/06/12(水) 20:53:41.50 ID:vLNSj/6Bo
残存魔力のほとんどない今の真奥を殺すのは、恵美にとって容易いことだ。
だが行きがかり上共闘し、馴れ合いのような関係になり、いつのまにか争い合うような空気はなくなった。
口喧嘩はするものの、本気の殺し合いなど日本に来てからしていない。
それは改めて指摘されれば、確かに腑に落ちないことだった。
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/06/12(水) 20:54:12.17 ID:vLNSj/6Bo
真奥「お前らよくこの辺で飲むの?」
恵美「たまにね。このクズ」
真奥「……お前実年齢十七だよな? 酒いいのか?」
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2013/06/12(水) 20:54:42.45 ID:vLNSj/6Bo
ああ、やはり大して興味もない話題など振るんじゃなかった。
そう頭を抱える真奥だったが、意外にも恵美が会話を繋いだ。
恵美「……どうせ、私は根に持つ女よ」
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2013/06/12(水) 20:55:15.84 ID:vLNSj/6Bo
真奥「戦争責任って言葉があるよな」
真奥「なるほど確かに、俺らは侵略者だ。お前ら人間には恨む権利があるし、俺らは文句を言える立場じゃない」
真奥「だがな、そういうことを全部置いといたとしたら――」
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2013/06/12(水) 20:55:45.03 ID:vLNSj/6Bo
恵美「梅酒。ロックで」
真奥「梅酒ロックもう一つ。あとナスの漬物。……なあお前、飲み過ぎじゃね?」
恵美「何が……余裕に決まってる、でしょ」
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2013/06/12(水) 20:56:11.67 ID:vLNSj/6Bo
真奥「くっそ、起きろよお前……つーか金払えよ! 割り勘だからな!」
恵美「んー……」
真奥は恵美の腕を自分の肩に回し、無理やり立たせていた。
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2013/06/12(水) 20:56:40.07 ID:vLNSj/6Bo
真奥はこの手のホテルなど泊まったことがなく、部屋を取るのに少々苦労したが、無事部屋まで辿り着いた。
やたらと大きなベッドに、ひとまず恵美を寝かせる。
その端に自分も座った。
ようやく肩の荷が下りたことで一息つく。
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2013/06/12(水) 20:57:06.88 ID:vLNSj/6Bo
手が、止まった。
少しの間そのまま固まる。
恵美が起きた様子はない。
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