1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/06/12(水) 21:03:11.38 ID:uPlaearc0
11月下旬
雪が散らつく中、銀色の町に黄色のテープで描かれている『765』の文字が映える。
「この建物が…今日から俺の…」
呟くと、後方から俺を呼び掛ける声が聞こえた。
「あのう…」
「はい!?」
突然に話しかけられたものだから、俺は声をひっくり返し返事をした。
「あなたが…ここの…新しいプロデューサーさん?」
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2013/06/12(水) 21:09:56.08 ID:uPlaearc0
彼女はここの事務員として勤めているらしい。
名前は【音無小鳥】と言った。
「あの、プロデューサーさん…社長からお話がしたいと…」
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2013/06/12(水) 21:17:49.95 ID:uPlaearc0
俺が都内の街を歩いていると、突然この男性に声を掛けられたのだ。
『君、アイドルのプロデュースに興味はないかね』
俺はその場で、少し顔をしかめながら適当に切り離そうとした。
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2013/06/12(水) 21:23:37.58 ID:uPlaearc0
「あの時は…驚きましたよ。」
俺は微笑しながら話しかけた。
「まずは…君の人生を変えてしまったことを謝らせてほしい。すまなかった。」
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2013/06/12(水) 21:33:58.90 ID:uPlaearc0
「じゃあ…この娘で…」
俺が指差した銀髪の少女は【四条貴音】というらしい。
俺は面食いだったため、単純に容姿だけで美しいと思った彼女を選んだのだが
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2013/06/12(水) 21:38:40.55 ID:uPlaearc0
「おはようございますぅ…」
弱々しそうなその高い声は、【萩原雪歩】のものだった。
「あら、雪歩ちゃん。おはよう」
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2013/06/12(水) 21:42:02.32 ID:uPlaearc0
「おはよう!萩原くん!」
社長が威勢のいい挨拶を飛ばす。
すると雪歩は少し怯えたように…
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2013/06/12(水) 21:47:25.66 ID:uPlaearc0
我に返ると、社長が雪歩に俺の説明をしているところだった。
「ーーーで…そうだ、君からも何か一言言ってくれたまえ」
「は、はい」
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2013/06/12(水) 21:52:52.83 ID:uPlaearc0
「ほほう!そうかね!それなら…」
社長が話を進めようとしていたが、雪歩には我慢ができなかったらしい。
「お、男の人はイヤですぅ!」
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2013/06/12(水) 21:58:42.81 ID:uPlaearc0
しかし予想外にも程がある出来事がおきた。
雪歩がまったく怖がらないのだ…
「あれ…?怖くないのか、俺のこと」
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2013/06/12(水) 22:05:46.84 ID:uPlaearc0
晴れて俺は雪歩のプロデュースをすることになった。
765プロの他のアイドル達とも一通り顔を合わせ、一足先に一歩を踏み出すことになった。
雪歩と一緒に……
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2013/06/12(水) 22:16:02.82 ID:uPlaearc0
最初の営業を終え、俺が一息ついていると、雪歩は近くにあった自販機で買ったお茶を俺に渡してくれた。
「お疲れ様でした」
雪歩はニコリと笑ってこちらを見る。
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2013/06/12(水) 22:20:23.63 ID:uPlaearc0
それから、雪歩は順調に歩みを進めていった。
小さな出版社のモデルから始まり、ラジオでコーナーを持たせて貰うようになったと思えば、いきなりドラマの主演のオファーが来たりと、絶好調だった。
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2013/06/12(水) 22:32:46.84 ID:uPlaearc0
「雪歩、最近調子いいじゃないか!これからもこの調子で頑張れ!」
「はい!」
ーーーーーーー
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2013/06/12(水) 22:41:05.23 ID:uPlaearc0
俺は…雪歩の気持ちになんて気づいていなかった。
「いいんです…。そうですよね…プロデューサーなら、そう言ってくれるって思ってました」
「雪歩…ごめんな…」
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/06/12(水) 22:57:01.18 ID:uPlaearc0
「雪歩…最近、無理してないか?その…あの事については…申し訳ないと思ってる。だけど仕方のないことでもあるんだ」
「プロデューサー?私…確かに最近無理してました…だけど…」
雪歩が何かを言おうとしていた。そんなのことにも気づけなかった。
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/06/12(水) 23:03:18.11 ID:uPlaearc0
携帯を片手に走りだし、俺は事務所を飛び出た。
携帯の電話帳から電話をかける。相手は勿論…雪歩。
「もしもし、雪歩か!?今どこにいる?」
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/06/12(水) 23:18:55.32 ID:uPlaearc0
「おい、お前!どこ見て歩いて…ってお前…へぇ…」
「765プロが何のようだ」
長身で茶髪のこの男。何度か見かけたことがある…。【天ヶ瀬冬馬】だ。
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/06/12(水) 23:27:15.93 ID:uPlaearc0
「プロデューサー!ごめんなさい!」
「雪歩…!どこに居たんだ…いや、そんなことより謝るのは俺の方だ」
「本当にごめんな。雪歩の気持ちに気づいてやれなくて…」
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/12(水) 23:37:01.85 ID:5PVyan62o
ゆきぽがボクサーになるのかとおもた
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/06/12(水) 23:39:56.98 ID:uPlaearc0
それから幾度も練習を繰り返した。
雪歩は【ALRIGHT*】という曲で挑みたいらしい。
練習を重ねるうちに、以前のこともすっかり頭から離れていた。
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