2: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:14:49.06 ID:EnRHzSex0
あなたは 幸せ ですか?
3: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:15:27.86 ID:EnRHzSex0
全てのはじまりは、僕の携帯に届いた、この一通のメールだった。
前述の「一日を一時間にするゲーム」のはじまりより、少し前の話だ。
その時の僕は、一年もゲームを絶ち、進学校の合格を勝ち取っていた。
4: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:15:53.78 ID:EnRHzSex0
その言葉は、僕にとって、言い表せない感情を生む要因となっていた。
確かに堕落していたのは僕であり、両親の言うことは正しかった。
しかし、僕はこの一ヶ月の間は、寝る間も惜しんで勉強していた。
5: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:16:19.18 ID:EnRHzSex0
あなたは 幸せ ですか?
○はい ○いいえ
6: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:16:54.29 ID:EnRHzSex0
送信先のメールアドレスは文字化けしていて、とても判別できない。
冷静であったなら「スパムメールか」と、すぐに削除していただろう。
しかし、僕は冷静ではなかった。「冷静を装っていただけ」であった。
7: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:17:20.62 ID:EnRHzSex0
そこには、僕の幼なじみの名前が表示されていた。
「幼なじみ」と彼女を形容するには、あまりふさわしくないかもしれない。
何故なら、彼女とは小学校低学年のときに、彼女の引越しで疎遠になった。
8: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:17:52.71 ID:EnRHzSex0
「ああ。これ。演劇用のビデオ。音声字幕付き。おかげで吐きそうなのよ」
「窓を開けるから待って」という彼女の言葉の後には、溜息がこぼれていた。
疲れているのだろうか。そういえば、彼女は、何か用があったのではないか?
9: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:18:26.84 ID:EnRHzSex0
「それって、幸せを運ぶ不幸のメールじゃない。わたしのところにも来た」
一瞬でも、僕は耳を疑った。何なのだろう、その矛盾に満ちたネーミングは。
どうにも、彼女は何かしらの詳細を知っていたようなので、僕は尋ねていた。
10: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:18:53.08 ID:EnRHzSex0
「『いいえを選ぶ。どうせ、噂なんだからな』そう言って、彼は選んだ」
「その日から、彼は一変していた。どこに行っても、彼はおかしかった」
11: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:19:24.04 ID:EnRHzSex0
僕が帰り道で抱いていた淡い期待は、母の厳しい声によって砕かれた。
帰ってくるなり、僕の言葉を待つ事もなく、激しく批難されていた。
玄関で立ち尽くしている僕に同情したのか、父が母を止めに入った。
133Res/129.69 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。